愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 7

【5月6日】
近くなので車体をバイク屋まで押して行き、車検の内金を3万円ほど払う。
平成6年以降は車検が切れた状態なので、ナンバーが変わってしまうかもしれないと言われた。 
それは困る!なんといっても新車以来持ち続けた車体なのだ。 今更中古車のような扱いは受けたくない。
ブレーキのエア抜きは適当なので、抜いてもらうように頼んで家に戻る。

【5月9日】
定時に会社を終えて、すぐにバイク屋に向かった。
そこには、以前のままのナンバーをつけた自分の愛車が佇んでいた。
しかし、ナンバープレートには今月の車検のシールが貼ってある..おおっ!
店のオヤジさん曰く..「特に問題はなかった。ガス漏れも起きなかったし、ブレーキのエア抜きもやった。」とのこと。
さらに今後気をつける部分として、
「この車体はジェネレーターが弱いから、弱ってきたら早めに交換する事と、クラッチの磨耗に注意すること。」との事。

こうして、残金を支払うのだが..なんと残金は19000円!
つまり、合計で49000円しか掛かってない。 これは安い!
最後にCB750Fの車検を受けたときは、たしか保険料だけで63000円もして、10万円近く掛かったのに..
そんなわけで、残金を支払い車体を受け取り、少し乗って様子を見る事にする。
約10年ぶりに公道を走るCB750F..感無量!

久しぶりに走らせた感じは思ったほど悪くなく、エンジンも調子よく回っている。
数キロ走らせてから、気になる4番気筒からのオイル漏れをチェックしてみるが全く問題なし。
これで明日、走らせる自信が沸いてきた。

【5月10日】
今日は本格的にCBを走らせてみる事にする。行き先は昔走りなれた伊豆スカイラインに決めた。
エンジンは一発で始動し快調に回っている。最近のウェアは持ってないので昔のウェアを着込んでヘルメットをかぶる。
エンジンを十分に暖めてから、1速に入れてクラッチを離すとCB750Fはスルスル..ッと前に出た。
箱根新道の前でガソリンを補給し、一気に箱根新道を駆け上がる..と言いたいが、様子を見ながらノロノロ走る。
箱根新道の出口で一休みして、エンジン周りを入念にチェックする..
異常なし! クラッチを調整して十国峠に向かい、十国峠から熱海峠を抜け伊豆スカイラインに入った。
全線往復の割引チケットを買ってノロノロと走り出す。

しばらく走ってから再び停車し一休みする。
連休後の伊豆スカイラインは空いているので、ゆっくりと車体周りを観察する。
走行しながらもエンジンの調子を観察したが、カムチェーンの音は少し大きいながらも調子は悪くない。
やはり一番気になるのは4番気筒からのオイル漏れで、白煙を吐くかどうかが気になる。
エンジン周りを入念にチェックしたが、漏れは全く無く、マフラーからも煙を吐いてる感じもしない。
この状態ならば当分は問題なく乗れそうな感じである。安心して終点の天城高原を目指す。
以前のように速度を上げて走ることは出来ないので、まったくの安全運転で車にも抜かれながら走っていく。
我ながら情けないが、10年前のタイヤも信用できないし、それ以上に自分のウデが信用できない。
ヨタヨタ走りながら天城高原に到着した。しばらく休憩後、復路を走って戻ることにする。
復路もエンジンは快調に回り、ブレーキもアタリが付いてきたようだし、サスペンションの動作も悪くない。
箱根新道の下りで、何度かブレークのテストを行いながら下り、無事帰宅した。

【5月11日】

今日も同じコースで伊豆スカイラインを走ることにした。往路の上りだけは箱根旧道を走る事にした。
なにしろ、10年ぶりなので走らせてみたいし、CB750Fと居ることが楽しいのである。
しばらく走っていると、エンジン周りから「パチパチ」って感じの音に気が付いた。
エンジンの吹け具合いいのだが、何か気になったのでプラグ周りをいじってみると、パチパチ音が消えた。
どうやらプラグ周りからリークしていたようである..たぶん2番気筒のプラグ周りだろうと察しがつく。
まぁ..プラグ自体も交換していないので仕方ないし、ボディアースも不完全になってきていると思う。
その後は快調で、昨日と同じように熱海峠から伊豆スカイラインに入り天城峠まで往復する。
エンジンは昨日よりもさらに快調に回るような気がする。少しづつ調子は戻ってきたようである。
カムチェーンの音は少し気になるので、チェーンテンションを張り直す必要があると思う。
この日の伊豆スカイラインは肌寒く、走っていると風邪をひきそうである。

それにしても..昨日同様に自分の遅さにはあきれるものがある。車にすら簡単に抜かれてしまう。
まぁ、10年ぶりに走っているのはCBだけでなく自分もだから「仕方ない」と」思うのだが、すこし情けない。
タイヤを交換しても、もう以前のようには走ることは出来ないだろう..でも、それでいいのである。
再びCB750Fで、走れるようになったことで、もう十分以上に満足しているのだ。
さて..無事に走れるようになった愛車CB750Fであるが、以前のように「完全に近い状態」を望む事はしない。
10年も放ってしまったのだから、走れるだけで十分であるが、調子が良くなるように整備する努力は惜しまない。

今日の走行で、プラグの交換が必要なのはわかったので、プラグを全交換しエンジンからの
アースラインを直接取る事にしたいと思っている。
つまり..最近流行のアーシングであるが、これは使い古された手法で「いまさら..」とも思う。
現実的にアースラインが弱っている車体には有効であるが、新車とかにやっても効果の程は感じないだろうと思う。
まぁ自分のCB750Fは古くなっているので、少しは改善されるだろうし、リーク対策として安心感はある。
それよりも早いうちに手を打たなければならないのは、ともかくタイヤである。
タイヤも以前のままのジェグラをつけているのだが、細かいヒビが入っている上にグリップ力は相当落ちている。
もっとも..今の自分の走り方では、全然問題は起きないのだが、やはり危険なものは交換しておこう。

さて..
こうして1ヵ月半の集中整備で甦った、わが愛車CB750F BOLD’OR2
最初のうちは、再び公道を走ることなんて考えも付かなかったが、こうして走っている。
22年は長い月日である。自分の人生の半分にも達する年月を、このCB750Fと暮らしてきたのである。
今後は無理をさせずに、出来るだけ長く車検を通しコンディションを維持する事を目標にしたい。
人は長い間、同じ生活を続ける事は出来ない。
当然、生活の変化に伴って考え方も変化するし、自分も歳を取り体力も衰える。
そのとき、生活の変化に対応出来ず、CB750Fが所有者の負担となってしまえば、それ以上の維持は出来ない。
所詮..衣食住が成り立っての贅沢品である。CB750Fが決して生活の中心にいるわけではない。
おとなしく生活に寄生して生きていく事しか出来ないのが、この大きな贅沢品なのだ。
今までの22年間の所有を振り返り、そう思った。
また乗れて、とても嬉しい..今はこの気持ちでいっぱいである。

箱根新道の終点にて

伊豆スカイライン玄岳付近にて

伊豆スカイライン亀石峠付近にて

2003年05月13日

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