愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 98

【締過ぎ不安症候群】(2008/03/30)

  厳密なトルク管理で締められているボルト/ナット/ネジは一応安心..なのだが、私のトルクレンチの精度範囲は
プロト製で0.5kg/m〜5.0kg/m、アストロ製は2.0kg/m〜11kg/mで、実用範囲は更に狭い。
M8以上のボルトならば規定トルクは1.8kg/m〜2.5kg/mなのでプロトの守備範囲であるが、それ以下のボルト..
つまりM6は0.8kg/m〜1.2kg/mで少し不安、M5に至っては0.45kg/m〜0.6kg/mと守備範囲外である。
「そんなのは勘で締めりゃいいのよ!」
まぁ..それもいいのだけど、勘で締めると必ずオーバートルクで締めてしまうのが人間である。
なにより、この細いボルトやネジはエンジン周りに多く、エンジンは経年熱劣化したアルミである。
Fの場合サイドカバーやジェネレーターカバーを締める度に「締めすぎたかな〜..大丈夫かな〜..」と不安になる。

そこでトルクドライバーなる物を購入した。
管理トルクは0.40kg/m〜0.90kg/mとM5・M6がガッチリ守備範囲に入る。
経年の熱劣化したエンジンは脆くなっているので、締め付けトルクは下限付近を使いたい。
できれば..締めていく過程で「十分!」と思えれば規定値に達していなくても問題はないと思っている。
もちろん、忘れずに頭と整備の備忘録にメモしてときどきチェックする事にしたい。

イギリス製のトルクドライバー。 ここら辺のネジは締め過ぎてナメルと大事になる!
【ステアリングステムの謎】(2008/03/30)

ステムベアリングを自分で交換しようと思って数年が過ぎた。
実はそう思い始めた頃から「謎」があって、答えが見つからなかった事が交換をしなかった原因でもある。
その謎というのは..「下側のステムシャフトを締めてるボルトの役目は何だろう?」という事である。

これというのは、Fのステムはシャフトとステムとアンダー側の三叉が一体で一つのパーツとなっている。
要するに数個の部品が組み合わせてあってステムになっているのである。
とすると..「ステムシャフトは外れないのか?」という事になるが、ボルトが水平に入っている。
「あのボルトを緩めるとステムはどうなるのだろう?」..というのが疑問であり、交換を遅らせた理由の一つである。
そこで、思いきって中古のステムを一式購入して完全に分解して各々の役目と結合を見る事にした。

結果から言えば..ステムは上下とシャフトに分解できる。
下の三叉のボルトを緩めて、相当な力で叩けばシャフトは抜けてくるが、それでもかなりの打撃力を必要とする。
つまり、シャフトは完全に三叉に圧入もしくは圧入に近い状態で組立てられて締めこまれている。
実際に抜く時の打撃力からして、クランプのボルトが必要ないほど強く入っている。
このクランプのボルトは、どうやら異材質なので面接合させる為のボルトと考えるのが妥当と思われる。
三叉がアルミ(もしくはジュラルミン)なので、金属的に材質変化があるので、こういう方法を採ったのだろう。

というわけで..この部分は「剛接合」と解釈して「外す事は出来ない」とするのが正しい。
これによって私が数年抱いていた作業的な疑問..
「クランプネジを緩めてシャフトを上から叩けばレースは外れる」
という作業方法を行ってはダメで、クランプを締めこんだ状態でレースに割り入れるなりしてレースを外すのである。
レースを取付けるにはシャフト外寸が30ミリなのでそれ以上のレースドライバーを必要とする。
これについて代用工具を追々考えないといけないと思う。
そんな訳で..ステムの扱いとレースの外し方については十分に理解できた。

ステムは上下シャフトの3ピース構造。 クランプを緩めて相当な力で叩けばシャフトは抜ける。
シャフトは圧入されている。 下部フレアリング部の形状

2008/03/30

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