愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 97

【中古部品で整備】(2008/03/22)

 記事93で準備された「加工スイングアーム」と最近手に入れた走行10000キロ強の前後スプロケットギア。
今回の整備では、この部品を使ってリア周りのリフレッシュを行う事にした。
前後スプロケットについては、実はチェーンも付属してきている。
どうしようかと考えたのであるが..結果的に外したチェーンよりも、良い状態であった為、中古を採用した。
もちろん「カシメ」の状態を丹念にチェックして、問題が無い事を確認して使用したのである。

「中古部品」・・というと馬鹿にする方が居られると思う。
確かに新品を揃えれば越した事は無いけど、高価な上に..なにより、車体の他の部分が古いのである。
古い車体を整備/維持する上で中古部品は心強い味方で、上手に使えば満足度の高い整備が出来る。

今回の整備で、頭を悩ませたのは「作業順位」である。
センタースタンドがあればスイングアームを外す事は容易なのだが、リアスタンドではそうは行かない。
なぜか..それは、リアスタンドがスイングアームに掛かるからである。(笑)
というわけで..このときの為といっても過言ではないホイールクランプの登場である。
ホイールクランプの安定性は実証済みなので、前を固定してリアをジャッキアップして脚立吊りで固定する。
こういうと簡単なだけど..これには「先に緩める部品」を確実に理解していなければならない。
25年以上連れ添った愛車とはいえ..行なうは難しで、何度も頭の中で作業順位を組み立ててみた。

こう書くと「なんだ、なんだ? その程度かよ。」と思われますが..(まぁ、その程度です)
では..ドリブンギアのボルトを緩めるのはいつか? アクスルを緩めるのは? ピボットは?
どこを先に緩めるのか、緩めてはいけないのか..わかってる人は少ないと思います。

M10のナットを溶接して作ったストッパー 10000キロ強走行したFCの中古部品(ほんとか?)
先ずホイールクランプで車体を固定し、Lサイドカバーを外してドリブンギアの固定ボルトを緩めます。
次にスイングアームのナットを緩め、アクスルシャフトのナットも緩めます。
いよいよ吊上げますが、ジャッキポイントは車体の重量バランスからセンタースタンド位置より後方になります。
シートやサイドパネルを取り外して、脚立を跨がせます。(脚立を跨がせる位置は後輪車軸の位置が最も安定します。)
スイングアームに木っ端を入れてジャッキで出来るだけ上げてから、脚立からベルトでフレームを吊り下げます。
※前後どちらでも、絶対にフレーム以外に吊り下げないように..重さで部品が変形する可能性があります。

リアが十分に持ち上がったらジャッキを静かに抜いて安定度を確かめます。
この方法は、市販のバイクジャッキとは違い転倒する恐れはありませんが、リアが揺れます。(笑)
ホイールクランプで前輪が固定してあるので、後ろが揺れても全然平気です。
見ててもジャッキアップとは違って「不安」は全く感じません。
次にホイールを抜き、リアブレーキは紐などで下げておきます。

ホイールクランプに入れて作業開始。 Lサイドカバーを外してボルトを緩める。
脚立登場!ジャッキアップ開始! リアホイール取り外し。
   

リアホイールが外れたところで、先にスプロケットの交換を行います。
オークションのふれこみでは「10000キロ強走行のFCから取り外しました。」との事だけど..眉唾。(^^;
外してみた自分の47800キロ走行のスプロケットと比べてみると..微妙〜だけど、確かに減りは無い。
縦方向の減りというよりも、全体の「痩せ」が小さいので、10000キロはともかく採用する事にしました。
歯だけの減りではなくて、画像を見れば分かりますがチェーンの噛み込み深さが減りの為深くなります。(上)
下のが10000キロ中古ですが、確かに歯の尖り方と窪みの深さが浅いです。
リアのスプロケットは締め込みトルクが8キロ〜10キロなので、しっかりトルク管理が必要です。
スプロケットは、一度で締めずに「交互/段階」で締めこまないと歪みます。

   
スプロケットを外して..折角だからそうじ。 トルクレンチで交互段階締め込み
 

 歯だけの減りではなくて、画像を見れば分かりますが、
 チェーンの噛み込み深さが減りの為深くなります。(上)
 下のが10000キロ中古ですが、確かに歯の尖り方と
 窪みの深さが浅いです。
 実際に手で触ってみると良く分かります。(^^

微妙だけど..確かに中古の方が痩せが無い。  
   
次はスイングアームの取り外しですが..先にピボット部とショックの取付を緩めてあるので簡単に外れます。
外す順番は..先にピボットを外し、なにか木っ端で支えておいてショックのネジを抜くのが落ちないので楽です。
交換するスイングアームはグリスニップルからグリスを注入して、古いグリスを押し出します。
この部分は大きな力が掛かるのでグリス不足が起きないようにしなければなりません。
グリスが入ったら、トルクロッドを組立てれば組込み準備が完了します。
もちろん..スイングアーム左右のキャップ(ダストシール)も忘れてはいけません。
   
スイングアームを取り外す。 右が今回交換する加工スイングアーム。
グリスを注入して・・OKです。 トルクロッド取り付け(コッターピンは新品に)
   
さて..いよいよ組み込みですが、組み込みは難しくなく一気に出来ます。(^^
その前に、ドリブンギアも10000キロ中古に交換するので、ギア周りを綺麗に掃除しておきます。
(実は..これが、あとで面倒な事になるのですが、そうとは知らず..ううっ!)

ドリブンギアは、リアスプロケットよりも減りの差がはっきりしており、確かに減りがないと分かります。
さて、ここでチェーンの問題になります。
今使っているRKのチェーンは、そろそろ使用の限界が近いので新しくしようと思っていたのですが、
この10000キロセット?(^^; には、チェーンも付属しており、DIDのZVMという物です。
このチェーンは見た目から確かに「新しい」というか、いくらも使っていのが分かるほどです。
カシメの状態もしっかりしており、チェーン自体を比べてみると明らかに長さが短い(減りが無い)です。
丹念に細部(パッキンとか)を見て..大丈夫だろう(というよりも、今のよりはずっとマシ)と結論しました。

スイングアームにチェーンを掛けて、先にリアショックに仮固定を行って、先端側をゆっくりとジャッキで持ち上げます。
位置が出たら..シャフトを通して固定し、チェーンにドリブンギアを付けてギアシャフトに挿入しておきます。
ピボット側のナットを仮締めし、リアホイールも取り付けて..各部をチェックしてから、スイングアームの基部に
木っ端を入れてジャッキで車体を浮かせてから脚立の吊り下げを外して、脚立も外して..ジャッキを下げる。
これでホイールクランプだけで自立しているので、リアのアクスル周りを仮組立てしてドリブンギアを締め付けます。
次にドリブンギアの周辺部品を組込んでから、Lサイドカバーを回りを復元します。

反対側にあるスイングアームピボット部のナットを規定トルクで締めこんで、ショックの取り付けネジも締めこみます。
チェーンラインを確認して、チェーン調整を行いチェーンカバーを復元し..ホイールクランプから車体を抜きます。
リアスタンドに交代して、再びチェーン周りのチェックと全体のチェックを行いチェーンに注油して完成です。
整備が完了したので、近場を20キロほど走ってみましたが..チェーンがすごく静かです。(^^;
今までのチェーンが「ジャラジャラ・・」って感じだったので「コォ〜・・」とかって回ってるのには驚き。
帰宅してから再度チェーン調整(暖間調整)したのですが、明らかに伸びが小さいのが分かります。

   
ドリブンギア周辺も清掃する。 右が10000キロ中古のドリブンギアです。
チェーンを入れてスイングアーム復元中。 リアホイールを組込み。
脚立の吊り下げから開放されました。 ドリブンギアの締め付け。(この時点でやる)
Lサイドカバー周辺の復元 スイングアームピボットの締め付け。(これもこの時点でやる)
チェーンラインのチェック。(いい直線!) 整備完了!
スプロケット周りの点検。 チェーンの微調整(再調整)

さて..中古部品を使ってチープながら、満足いく整備が出来たのですが..ふと気になる事がある。
それは「小さなリングが、どこからともなく出てきた(爆!)」ことです。
いろいろ考えた末に「多分..ドリブンギアのオイルリング」だろうと結論しました。
そこで、折角組立てたL再度カバーを外してドリブンギアを緩めると..案の定、リングが無くなってました。
(このバイクをいじる人で、このリングがちゃんと入っている人ってどれくらい居るのか?)
今度はしっかりとリングも入れて規定トルクで再度締め付けて完了!

・・と思ったのですが、夜になって「Lサイドカバーの取り付けに不安」が持ち上がってきた。(^^;
なにかカバーを締め付けすぎたような..浮いてるような感じ..不安だ。
というわけで、翌日に再びLサイドカバーを取り外して、車体側のネジの状態を確認して洗浄。
取付けボルトも洗浄して、カバーに若干の浮き上がりがあったのでワッシャーで調整する事にしました。
ネジの締め込みは、グリスを塗布して軽く締める程度にしておきました。
こういう場所のネジは、不要に締めすぎる傾向にあるので、軽い締め込みを心がけておきましょう。

さて!今度こそ完了しましたので、久しぶりに丹沢湖に行く事にしました。
昨日一日中、屈み作業に近い作業が続いたので、腰に相当負担が掛かってます。
「大丈夫かな〜..」と不安は有りましたが、腰痛は以外と調子よく快調に丹沢湖に到着しました。
整備後の走行感に気を付けて走ってみたのですが..やはりチェーン音が静かになってます。
中古の10000キロセットとはいえ侮れません。(^^;オイオイ

今回の整備は中古部品や中古加工スイングアームを取り付けたりで..部品代は締めて7000円程度です。
それでも、交換前に比べると、かなり改善したり、また便利になったり満足度は高いです。
本当はチェーンは新しいのを買う予定で、買いたいのが本音ですが..しばらくは大丈夫なようです。
そんなわけでチェーンを買う予算は、ちゃんと貯金しておくことにしましょう。

   
これがドリブンギアロックナットとオイルリング 今度こそ!入れ忘れなし!
Lサイドカバー取付けボルトの洗浄とグリス塗布。 調整ようのリングをいれてフィッテイング。
Lサイドカバー復元!スッキリした! 久しぶりに丹沢湖に行きました。

2008/03/23

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