愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 78

【油温計から分かる事】

では実走行して、巡航における油温の変化と機関の変化を見てみることにする。
走行開始時における外気温は15℃、エンジンオイルの油温は45.5℃にて走り出す..が、かなり機嫌が悪い。(^^;
私のエンジンは、走行開始後、春夏秋は10キロ程度、冬は15キロ程度はエンジンの機嫌が悪い。
これは、腰上を分解整備する以前からの症状で、ヘッド周辺のメカノイズが大きいのである。

さて、エンジンを宥めながら走る事5キロ。
ようやく油温が60℃近くに上昇し、メカノイズも少しづつ穏やかになってきました。
油温は60℃まで上がると、走行中はあまり急激な上昇下降の変化は現れません。
10キロ〜15キロの区間は高速道路を100km/h程度で走ってみたので、少々油温は上昇しました。
それ以降..25キロまではピタッと60℃の付近を上下する程度です。
30〜35キロの区間は山間部の上りになっているので、63℃程度まで上昇しました。
35〜40キロ区間は、ガソリンスタンドに寄る為に市街地走行を行ったので急に油温が上昇してます。

さて、このグラフから分かる事は、興味深いものです。
私のFは900Fクーラーとポンプを積んでいる事を頭に入れて考えると..
エンジンは外気20℃で、標準的な走行を行った場合油温が適温(80℃程度)に保たれるようになってます。
という事は..外気温が15℃で油温は60℃で安定しましたので、外気温が20℃だと65℃〜70℃で安定するはずです。

話が逸れますが..
エンジンとかモーター、CPUとかトランジスタというものは、外気温に関係なく一定の温度上昇を行います。
つまり..始点温度が10度上昇すれば、エンジン温度も10℃上昇するというわけである。
では私のFのエンジンはというと..外気温度15℃において巡航状態で60℃まで上昇する..つまり、45℃上昇する。

話を戻して、オイルクーラーの効果はどうかというと..80℃-65℃(70℃)=15℃(10℃)という事になり、
900Fのオイルクーラーを装着する事で、未装着車に比べ15℃〜10℃程度は油温を下げる事が推測できる。
これは真夏(外気温30℃)において考えるならば..30℃+45℃=75℃(装着車)と30℃+45℃+10℃=85℃(未装着車)
という事になり、30℃の外気温時においてFは巡航させるならば問題は無いが、渋滞ではすぐにオーバーヒートする。
もちろん..数値の少ない要素なので、更に差は開くのか狭くなるかは分からないが、真夏において巡航するにしても
オイルクーラーが有った方が、適正油温を維持するには有利である。

外気温度15℃にて走行したときの油温の変化

【オーバークール対策】

エンジンというのは最適稼動温度があり、およそ80℃を挟んだ±15℃という温度域である。
当然エンジンオイルも、この温度域において最高の性能が出せるようになっているといわれている。
つまり..65℃〜95℃で運転させるのが理想である。
オイルクーラー付のFは外気温に対して45℃の油温上昇を行う事が分かったので、外気温が20℃以下の場合は
オイルクーラーを塞いでしまうほうがエンジンにとっては都合がいいように思われる。
そこでクーラー前面をテープで塞いで走ってみる事にした。
すると..油温は上で書いた理屈どおり10℃〜15℃上昇し、60℃+15℃=75℃を表示した。v(^^
さすがに油温が70℃を超えるとエンジンの回転が滑らかになり、作動音も小さくなる。
やはりオーバーヒートはもちろんの事、オーバークールもエンジンにとっては辛いということである。

もちろん、それぞれ気候の違う所に住んでおり、走り方も違うので、全てのFに当てはまるとは言えないが、
油温を計測することによって、クーラー前面を開けたり閉めたりして、できるだけ適温でエンジンを稼動させる事が
できるようになると思われる。

クーラー前方をガムテープで塞ぐ。 理想に近い油温になります。
【メカノイズと油温】

ここで自分のFの始動時と暖機時のエンジンノイズに関して自己弁明してみよう。

元々空冷エンジンというのは、外気でエンジンを冷やす関係で、クリアランスが大きい事は周知の事実である。
新車時または完全オーバーホールをされたエンジンの場合は、減った部品を交換されているので、
各クリアランスは、規定最小値に近い為、エンジンノイズは小さいものである。
私のエンジンのように5万キロ近く走ったエンジンは、各部品の磨耗が相当すすんでいる。
磨耗したエンジンの調子が出始めるには、各部品の熱膨張が最大になり、且つオイルが最大能力を発揮する時である。
すなわち..エンジンオイルが80℃に近くまで上昇しないと、エンジンノイズは静かにならないという事である。
これを解決する為には、できる限り新しい部品をエンジン内に投入する事が一番手っ取り早い。

今回油温を計りながら走ってみて分かった事は、油温が最低60℃に達しないとメカノイズは治まらない。
更にいい状態に持っていくには、油温が60℃に達した後に金属膨張が進み安定しなければならない。
これが..春夏秋は約10キロ、冬は15キロ走行した時点で熱膨張が完了するのだと考えられる。
事実、オイルクーラーを塞いで油温を70度以上に保って走ると快適にエンジンは稼動している。
外気温が25℃ならば、クーラーを塞がなくても油温は70度に達するだろうから、エンジンは快適な状態で動く事できる。

【ヘルメットの謎】

Vol76でヘルメットによるメカノイズの聞こえ方の差をレポートしたのだが、さらに一歩進めてテストしてみた。
今回は「ジェットヘルメット対ノーヘル」..(^^; という大胆なテストで、近くの広い駐車場で試してみた。
当然、これは結果を見るよりも明らかで、ヘルメットを被らない方がうるさい..と思ったら大間違い。
時速は40キロまでで、回転を2000rpm〜4000rpmにて試したのだが、ジェットヘルメットを被った方が耳に付く!
ノーヘルだと、停車してエンジンを回してるのと同じ様な感じのメカノイズしか聞こえないのだが、
ジェットヘルメットを被ると、とたんにメカノイズが耳に付く!
尤もどんな音がしてるのか正確なのはノーヘルの方が正確に決まっているのだから、不思議である。
なにか、このOGKの安いヘルメットは、固有の音を拾って増幅させているようにしか思われなくなった。
謎は深まるばかりなのであるが..少なくともノーヘルで走った方が静かなのだから不思議である。

2007/02/10

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