愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 57
【中古のモリワキ】

以前..KERKER製の集合マフラーを付けてバオバオと走っていた時期があったのだが、復帰させて以来ノーマルを
貫こうと決めていたのだが、なんか物足りないというか、悪戯心が再び持ち上がってきた。
特に集合管を唸らせて走り回る年齢は既に大きく過ぎているのだが..。

オークションを何気なく眺めていると、集合マフラーが数点出ていた。
次にマフラーを付けるならヨシムラかモリワキが良いと心の片隅で思っていた。
ヨシムラにも惹かれるものがあるが..エキパイの曲がりが、少し私の好みではない。
でも、モリワキは少し暴力的でフィルター交換に難がありそうだし..と見送っていたのである。
前回付けていたKERKERは耐熱ブラックで、ボルドールのカラーには少し合わない気もしていたので、
メッキのヨシムラかモリワキをさがしたのだが..モリワキのメッキが無くて、ヨシムラが多い。
予算も出来れば少ない方がいいので、考えていた時に..このメッキのモリワキが出品された。
状態は、浅い二番の腹すりとセンタースタンドを逃げる為のヘコミがある程度でめっきとしては美品の部類。
それでも、しばらく考えていたのだが、モリワキ手曲げのエンジンを抱きかかえる独特の雰囲気に負けて入札。
結構競り合ったのだが、ギリギリで最高額を入れて逃げ切って無事に落札。

数日経つとマフラーが届いたので、梱包をほどいてみると..やはりエキパイの交差部分はかなり熱でやられている。
それでも、全体的にはスリ傷も少なく値段の割には良い状態と言えると納得した。
早速、その日からガリガリと錆落しを始める事にした。

【錆落しと再活性化】(2006/05/22〜27)

錆落しは、耐水ペーパーで丁寧に行い地肌が出て来るまで錆を落とす。
錆が落ちたら、花さかG溶液で再活性化を行うのだが、この作業で一週間を費やした。
メッキの集合マフラーは強そうで、実はエキパイの交差部分が熱で錆びてしまうのである。
こればかりは仕方なく諦めるしかないのだが、表面から見える部分のメッキは美しさを保っている。

錆落しが概ね完了し、花さかGで再処理を行うと錆の表面は再活性化されて鋼鉄色に変化する。
次にメッキの表面のキズをメッキコンパウンドで丁寧に磨き上げれば、室内作業は完了である。

オークションで安く手に入れた中古モリワキ

一週間掛かって錆落しと防錆処理

【仮装着】(2006/05/28)

この週末は天気が悪く、おまけに仕事も忙しかったので5/28日曜日の午後からマフラーを仮に装着してみる。
重たいノーマルマフラーを慎重に取り外して、モリワキマフラーを取付けるのだが..なんか納まりが悪い。
それでも、なんとか苦労して取付けてエンジンを掛けてみると..派手に排気が漏れるではないか!
「ガスケットかな?..それにしても漏れすぎだな〜。」と思いながら、スタンドの収まりなどを確認していた。

このモリワキマフラーは前のオーナーがセンタースタンドを取り付けるために、干渉する部分を凹ませてある。
それでも、凹ませ方が中途半端といおうか..遠慮気味なようでマフラーと干渉してしまう。
「なんか変だな〜..ほかのモリワキの取付を見てみよう。」と部屋に戻ってWEBで確認すると..
なんと、取付ブラケットがステップホルダーの前側になってしまっている。
要するに..前のオーナーがスタンドを付けるために、ブラケットまで曲げて無理に付けていたのである。
それで、なんかマフラーの納まりが悪いと感じたのである。

そこで、早速マフラーを取り外し、ブラケットを元通りにの状態と思われる程度に曲げなおして再装着すると、
排気漏れは無くなってしっかりとマフラーが取り付くではないか!
しかし..今度はマフラーのメインパイプが正規な位置になったので、センタースタンドはまともに当たる。
ここまで来れば仕方ない! メインスタンドを外す決心をする。
正直いって..センタースタンドが取り付くという期待があったのだが、見事に裏切られてしまった。
あと1センチほど凹ませれば取り付くかもしれないが..前のオーナーも苦労したようである。
逆に考えれば、センタースタンドを取付けているオーナーだから、良い状態に保てたという事もある。
まぁ..ここはプラス思考で考えるとして、マフラーに大きなダメージが無く、安かったので良しとする。

というわけで、正規な位置に仮付けされたモリワキは、低域で図太い排気音を出し始めた。
「ほんとに車検対応品かよ〜?」と思えるほどで、ブォン!というショート管独特の低い排気音である。
まぁ..排気音はともかくとして、取付の不具合がなくなったので、後は新しいガスケットを準備してからである。

仮付けしてみるけど..なにか変。

マフラー出っ張りすぎだと思う。

正しく取り付けされました。 今度は納まりもバッチリです。
【準備】

レッドバロンに注文してあったマフラーガスケットを取りに行って、耐熱塗料を購入してきた。
耐熱塗料はホンダ純正かオキツモが良かったのだが、あいにくLAVEN製しかおいてなかった。(安かったけど)

さて..マフラーを本付けする前に大きな問題があった。
それはセンタースタンドが無いので、整備するのが不安定であるという事である。
オークションなどを見ていたのだが、ボロのリアスタンドでも結構良い値段がしているようである。
そこで仕方なく、アストロプロダクトの「メンテナンススタンドBIG」なる物を買う事にした。
金額は8000円と頑丈な割りに安いほうで、これからの整備を考えるとぜひ必要と思われた。
実際買ってきて車体を上げてみると、とても軽く上げる事が出来る上に結構安定する。
おまけに色が赤なので、フレームの赤いボルドールには専用スタンドのように見える。
これなら、センタースタンドの代わりに十分に代用が務まりそうである。

【本付け】

仮付けしてあったマフラーを外して、ブラケットの穴の位置を修正する。
このマフラーは前のオーナーがブラケットを曲げたので、修正しても正規な位置には戻らない。
おまけにO&Tのバックステップを組んでいるので、取り付け位置が純正とは若干異なるようである。
とはいっても..5ミリ程度なので問題はないのであるが、マフラーに無理させたくないので穴を加工する。
ブラケットの加工が完了したら、耐熱塗料を塗ることにする。

マフラーの内側..見えない部分が最も熱による劣化が激しいのでスプレーする。
他の交差部分は塗料を皿に移し変えて刷毛で丁寧に塗ることにした。
どうせ見えないからと、腹回りも耐熱塗料を吹く事にしたら、思いの外広範囲に塗れてしまったので、
思い切ってサイドの方まで吹いてしまう事にした。(^^;
塗りすぎた部分は、そのうち耐水ペーパーで綺麗に落とす事にしようと思う。

さて、いよいよ取付ることにして、先にマフラーガスケットをシールドライバーで軽く打ち込んでおく。
これをやっておかないと、マフラーエンドで押した時に捩れる原因となる事は経験済みである。
慎重にマフラーエンドをエンジン側に押し込んで、リアのブラケットを軽く固定する。
その状態で、マフラーフランジを取り付けるのであるが、その前にマフラーボルトを洗浄しておく。
このボルトは折れたり曲がったりするとえらい目にあう。(経験済み)
マフラーボルトを確認してからフランジを慎重に押し込んで、600kg/mでトルク管理しながら締めこむ。
このボルトは絶対に無理に締めたりトルク管理をせずに締めたりしてはいけない。
出来れば一度走ってから、手締めで軽く締め増せば良い程度である。

ブラケットの穴位置を加工してフィッティングさせる。 耐熱塗料をスプレーとハケで塗る。

マフラーガスケットは必ず交換。

先にシールドライバーで沈ませておく。

マフラーの取り付け。

ついに完成!う〜ん..カッコイイです。

【走らせてみる】

さぁ!マフラーも無事に取り付けが完了したので、いよいよ走らせてみる。
とりあえず暖機運転をするためエンジン始動すると..図太い排気音と共に案外と機嫌よく目覚めた。
KEREKERの時は、ヌケが良すぎる為か始動性が悪くなってしまい少し苦労をしたものである。
エンジンも十分に温まったので「さぁ行くか!」..思ったら、なんと!
右のフロントフォークからオイルが漏れているではないか。(T-T)
最近「やばいかも」と思っていたら、ついにシールが逝ってしまった。
このままでは、走らせるわけには行かないので、急遽右フォークの修理を行う事にする。
これについては、次回のページに掲載する事にして..フォーク修理後に近場を走らせた印象を書くと、

なにしろ低速域でうるさい!と感じたが、走らせているうちに少しづつ静かになってきた。
どうやらサイレンサーが完全に乾燥してしまっていた事に原因があるのかも。(単なる慣れでもなさそう)
常速域(60キロ)程度では、マフラーを付けている感じは薄くてエンジン音のほうが目立つ。
エンジン音も変化してノーマルマフラー時よりもうるさく感じる。
これは、マフラー自体の肉厚が薄くなった事やエンジンとの共鳴なども関係しているんだろうと思う。
マフラーを交換しただけで、急にカムチェーンが伸びたりバルブタイミングが狂うという事はありえない。
マフラーの排気漏れ(バチバチ音)も無く、アイドリングではかなり静かで、エンジンの音も聞こえる。

走行感は、ノーマルよりも低速のトルクが太くて3500rpm付近から更に押されるように加速する。
どうやら3500rpm付近に変化点があるようで、手曲げ独特といわれる膨張音を発しながら加速体制に入る。
4500回転を過ぎる辺りからは、甲高い膨張音と共に速度がストレートに伸びていく感じがある。
マフラーの音は3500〜4500rpmくらいが一番派手で、その後は音が澄んでいく感じである。
良かったのは、痩せると思った低速トルクの落ち込みが無く、2000回転程度でも問題なく走れる事だ。
私自身の印象としては、逆に低速トルクが太っているのではないかと思われるほどである。
その為、KERKERのように下が乗りにくいと言う事は全く無く、ツーリングユースにも十分に使える。
私は滅多にスピードを出して走る事は無いので、低速が使えるととてもありがたい。

【デザインと総論】

好みはそれぞれであるが..私自身はサイレンサーの大きなマフラーを好まない。
出来ればコンパクトで身軽な雰囲気の方が好みである。
特にエフを再起させてからは、自分が歳を取ったせいもあって当時デザインに拘りが出てきた。
これはオーディオの方にも共通していて、その物が良かった時代の雰囲気に留めて置く事にしている。
まして..走りがヘタクソなので、早く走るつもりなど毛頭ないので雰囲気優先である。(^^
今回は「ボルドールには黒はケバケバしい」というのはKERKERの時に分かっていたのでメッキを買ってみた。
これは正解で、けっこう嫌らしくなるメッキのショートマフラーが上手くマッチしたと思っている。
このマフラーの大きな魅力は、その手曲げ独特の大きな緩いカーブで滑らかに曲がるエキパイにある。
角度によってはエンジンを抱きかかえるように見えるのは、なんとも頼もしい雰囲気がある。

このマフラーの性能は低速から中速域にかけてはノーマルと同じかそれ以上と思われる。
高回転域はおそらく他のストレートなマフラーには及ばないが、どうせ回さないからどうでもいい。
私のとっては2000〜6000rpmの領域が使いやすければ、それでいいのである。
だいいち..7000rpm以上なんて使って走る事は無いし、この古いエンジンが参ってしまう。(--;

音質は、正直言って迫力はあるけど品があると思えない。
それでも3000rpm以上になった時の膨張音には、やっぱり気分的に高揚する独特の感じである。
この先..ツーリングとかで一日中乗ってみないと、どの程度音で疲れるか分からない。
ただ取り回しはかなり軽くなったので、車庫から出すのは結構楽になった。
またノーマルに戻す事になるのかもしれないが、今回のモリワキは車検が通過できるので気分的に楽である。
KERKERは車検が通らなかった(105dB)で、気分的にも憂鬱な面があった。
まぁ..しばらくは様子を見ながら楽しむことにしよう。

【再度取付け修正】(2006/06/10)

モリワキを付けて数日経ったのだが..なにか、イマイチ取り付けに納得がいかない。(-_-;
それというのも、ブラケットを曲げたり穴位置を加工しなければ取り付かないというのは..変だ!
そんな訳で、再びマフラーを取り外して取付を修正した。

このマフラーは、中古であるがゆえに前のオーナーの怪しい取付け癖がある。
センタースタンドを取り付くように、無理やりマフラーを外側に抉って取り付けていたのである。
そのため、ブラケットが妙に歪められており、1・2番のエキパイもわずかだが少し位置に癖がついている。
そこで!マフラーを外して1・2番のエキパイを少しエンジン側に引き戻す為にエキパイに力を掛けてみた。
かなりの力が必要で、エキパイを押したり引いたりしてると..グニャ!っと根元から曲がってしまった!
と..言うのは嘘で、そんな程度では微動だにしないのだが、繰り返すうちにピタリと納まる位置に戻った。
といっても..ほんの5ミリ程度戻っただけなのだが。(^_^;;

しかし、この数ミリが重要でエキパイが戻った事で、リアのブラケットもほぼ正規な位置に戻った。
こんな作業を気合を入れて繰り返しているうちに..エキパイがボキッ! などという事は無く概ね最良な位置になった。
それ以上は、どんなに努力してもビクともしないので、エンジンに合わせると..おおっ!いい感じ。
ブラケットがほぼ垂直の位置で納まり、縦横の穴位置もドンピシャ! マフラーのフィッティングもいい感じ。
で..マフラーを正しく取り付けて、エンジンを始動! う〜ん..心なしか少し静かになった気もする。
それにしても、このマフラー自体が薄いせいで、エキパイがシリンダーの爆発で共鳴してるのがわかります。
じっくり作業して観察したら、エンジンがうるさく感じる理由がわかりました。
というわけで、これでしばらく乗ってみることにしましょう。

取り付け修正後 横からもきれいに納まりました。

2006/06/06(2006/06/10更新)

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