愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 56
     
【どうしても気になる事】

昨年7月半ばにクラッチのベアリング交換を行ったのだが..この整備で気になることがある。
それはローラーベアリングの打込み方向を間違えてしまった事だ。(-_-;
ローラーベアリングというのは、刻印側を表に打込むので、刻印側は肉厚もあり丈夫であるが、反対側は薄い。
前回の交換では一方方向から、二段のローラーベアリングを同一方向に重ねて打込んだ。
つまり..二段目のローラーの裏側で一段目を押し込んでしまったのである。
特にどうと言う事は無いのかもしれないが、二段目のローラーの裏側が歪んだのではないかと不安がある。
更に、前回の整備ではボルトが一本折れてしまい、ステンボルトを入れてあるので、熱膨張率の違いも気になる。
こういう不安は、一度気になりだすと止まらない。 
そこで、今回はクラッチスプリングの交換を兼ねてローラーベアリングを打込みなおすと共に気になる部分を
徹底的に交換してしまう事にした。

交換作業自体は慣れている部分なので、サクサクと進んだのであるが、この作業の前日まで家のウッドデッキを
作っていて、相当疲れていた為だろうか..翌日から体調を崩して寝込んでしまった。(T_T)
このレポートを書いている時は、少し調子が良くなったのであるが、咳をすると気管が傷む。

【交換作業】(2006/05/04)

クラッチの分解は今回で3回目である。
作業手順はSMに記載されている通り正確に行い、ガスケットは当然新品を用意しておく。
クラッチハウジングを分解し、気になっていたローラーベアリングをチェックする。
このローラーベアリングは、正しくは表側と裏側から一個づつ打込み、ベアリング間に微妙な隙間が出来るのが正しい。
今入っているローラーベアリングは引抜く事は出来ないので、打ち抜くのだが二度と使えない。
まだ一年も使ってないけど..気になるので両方とも打ち抜く。
次に新品のローラーベアリングの刻印が外側に向くように、各側よりペアリングドライバーで静かに打込む。

ベアリングが打込めたらクラッチを組み立てるのであるが、必ずワッシャーの向きと数はチェックする事。
今回はクラッチスプリングも交換するのだが、スプリングのヘタリは見ただけでは分からない。
機会があれば、躊躇わずに新品のスプリングに交換するほうがいいだろう。
私のFは28000キロで一度クラッチ版とスプリングは交換しているが、10年近くも倉庫で寝かせてしまったので
スプリングはキロ数以上にヘタっている。

前回のクラッチ整備でプレッシャープレートを固定するボルトの一本を折ってしまい、仕方なく6本全てをステンボルトに
してあるのだが、実はこれは納得いかない処理である。
よくステンボルトをエンジン周りに使う方が居るようであるが、これは良くない。
熱伝導率と膨張係数が通常のボルトとちがうので、メス側にストレスを与えてしまうのである。
最悪の場合は、ネジが喰ってしまうか..緩んでしまうというトラブルにもなりかねない。
純正ボルトは、メーカーが熱膨張率を考えて採用しているので大きな問題にはならない。(スチールだし)
私はSMの指定には無いが、一応少量のネジロックを塗布して規定トルクで純正ボルトに交換した。

【調子は?】

さて..クラッチケースを付けてオイルも戻して、調整も完了したので近場を走る事にした。
エンジンを始動してすぐに分かるのは、クラッチ音が静かになった事である。
F特有の始動時の「ゴトゴト音」は少々あるのだがすぐに納まり、快調にシャラシャラいっている。
走り出すと、クラッチの操作感が見違えるほど良くなった。
切れも良く、ギアの入りも静かでギアチェンジがスムーズになっている。
尤も..私のFはギアの入りには全く問題は無かったのであるが、更に良くなった感じである。
信号待ちとかで、一速に入れてもあまりショックは無いか、ただカチャっと入るだけである。
やっぱりクラッチスプリング交換の威力は大したものだと感心してしまった。(^^;
「こりゃ〜調子いいな!」と思って、連休の後半にでも出かけようと思ったのであるが..
上で書いたとおり、体調を崩してしまいFを走らせる事はできそうに無い。(残念)

     
クラッチケース分解 プレッシャープレート分解 クラッチ分解完了
こちら側から打込んだ 逆に打込んであるローラーベアリング ベアリングを引抜く
新品を正常に打ち直す 刻印が見えるようになる クラッチ組付け
新品のクラッチスプリング クラッチスプリング取り付け 新品正規ボルトに交換
1.2kg/mで締め付ける クラッチ部完成 新品のガスケット
 
クラッチアジャスターの調整 組付け完成  
     
2006/05/06

               

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