愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 48

【クラッチベアリングの交換 Part2】(2005/07/17)

Part1で各部の組立が完了したので、それを再度組み込む作業を行う。
今回の作業では作業工程は無事に完了したのだが、クラッチを組み立てる過程でトラブルがあった。
それは、プレートを固定している6本のボルトが経年劣化でボルトの首下が痩せてしまっており規定トルク上限では
耐える事が出来ずに1本が締め込みで折れてしまい、折れたボルトを抜き取るのにかなり苦労した。
幸いクラッチハウジング側を傷付けることなく残留ボルトを抜き去る事が出来たので、6本のボルト全てを
新品のステンレスボルトに交換しておくことにした。

今回からオイルをネット通販で安く買ったシェブロン20w-50にしてみる事にした。
このオイルはネット内で話題になっている激安オイルなのだが、評判がいいので使ってみる事にした。
実際には1本(約1リットル)で230円程度という、相当激安のオイルなのだが..なんとSLクラスのオイルである。
このSLクラスのオイルというのは2001年から導入された規格で、かなり厳しい条件が課せられているようである。
内容は環境問題やオイルの長期的性能や消耗量など多岐に渡って性能が要求されているようである。
しかし..規定の10w-40では、少し心持たないので20w-50を使う事にしたのである。
さて、この激安SLクラスのオイルは、私の希望に応えてくれるのだろうか?

クラッチハウジング内部の様子。
この先の作業ではワッシャー類の方向などが
あるので注意して組付けを行う。
 
新しいローラーベアリングを組み込んだ
クラッチアウターを取り付ける。
クラッチプレートを取り付ける。
溝は真直ぐにしておかなければ、
クラッチセンターが入らないので注意。
クラッチセンターをセットする。
 
ロックワッシャーを入れてロックナットを
規定のトルクで締め付ける。
 
ロックワッシャーの爪を折り返して、
クラッチスプリングをセットする。

クラッチセンターを取り付けて、取付ボルトを
交互に締めて固定し、リフターガイドを入れる。
 
新しいガスケットでクラッチカバーを取り付ける。
クラッチ調整を行って完成!

今回使用した激安のシェブロン20W-50
ガロン表示なので1リットルに少し欠ける。


【今回の作業の失敗点】

わざわざ購入したベアリングプーラー。
ローラーベアリングを向けると思ったが..
 
全く役に立たず、この有様..(T_T)
結局アウターレースを叩き抜くのが正解で
プーラーを使っても、この通り..惨敗。
 

叩きぬかれたローラーベアリング。
十分に強度があるので問題なく叩ける。
入れるには、もちろん新品を叩き込む。
 

今回の作業で一番失敗したのがボルト折れ。
規定トルクにレンチをセットして締めていくのだが
もう少しというところで「パキッ!」と折れた。
仕方なく、ピンバイスで残留ボルトに呼び穴を
開けてから、少しづつ大きなドリルを入れて
最後は引っ掛けて抜き去った。
メス側のネジは全く損傷してないので、
組立てには問題が無いが神経を使う作業だ。

結局..金属疲労で弱ったボルトが規定トルクに
耐えられず折れてしまったのであるが、
前回のクラッチ交換時に締めすぎたのも事実。
こういうところが素人整備の怖いところでもあり、
反面、しっかりチェックすれば、あらかじめ交換が
出来るので妥協の無い整備が可能な部分。

こういうボルトは1本がダメなら、他のボルトも
疑って掛かった方が安全である。
今回は6本全てをステンレスボルトに交換し、
ネジロック塗布を行い規定トルクで締め付けた。

規定トルクに耐えられず首から折れたボルト。
これを抜くのに1時間ほど掛かった。

左端が問題のボルトなのだが、他のボルトも
首下が痩せているのが分かる。

クラッチベアリングを交換して、試験走行で近場を走ってみて感じた事は、ともかく切れが良い!
それとミッションの入りが軽く、クラッチの引きも軽くなった事である。
気にしていた「ゴロゴロ」という音は、かなり改善されて「カラカラ」か「シャンシャン」程度になった。
かなり小さい部品だが、交換すると効果は大きいと思われる。

作業工程をみて分かると思うが..Fのクラッチはリフターガイドがボールベアリングのインナーレースを水平に
押し込んでクラッチを切る構造になっているのが分かると思うのだが、ボールベアリングは垂直方向に力が加わって
回転するのだが、この使用方法はボールベアリングのインナーレースを水平に押して回転させるので、
ボールベアリングにガタが出て当然の使い方である。
今回の整備では、せっかく開けるのだからローラーベアリングも交換したが、主な原因はボールベアリング側に
あるのではないかと思われる。

2005/07/20

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