愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 45

【24年目の真実】

今回は、腰上の整備で交換した部品を検証してみる。
距離を乗っている、もしくはエンジン音が騒々しくなってきたCB750Fの
オーナーがとても気にしているのがカムチェーンテンショナーである。
この部品は、CB750Fを腰上分解する時は必ず交換される部品である。
それは、なにか「約束」のようになっているのだが..
また、最近ではメーカー底払いとまで噂されるようになっているが..
真実はどのような状態になっていて、どういう部品なのか。
他のオーナーが言うように、減りが早くて必ず交換しなければならないのか?
それとも、交換したオーナーの行き過ぎた助言なのか?
私のワンオーナー車で39000キロを走行した部品で検証してみる。

画像で左側より、カムチェーンテンショナーB・カムチェーンテンショナーA
カムチェーンガイドA・カムチェーンガイドBである。
 

まず..エンジンを下ろさなければ絶対に交換できない3つの部品を見てみる。
以下は、全て新品部品と見比べ、手触りなどで私が感じた私見であり、最終判断は自分のエンジンと相談してください。
 

カムチェーンテンショナーBのフェイス面

テンショナー系部品の中では一番磨耗している。荒れて磨り減って見えるが画像のせいである。
厚みは、まだ十分に使える厚みがあり、
残量は約5.2ミリ程度が残っている。
しかし、テンショナー自体は弾力が弱い。
スプリングのテンションは、まだ大丈夫と
いった感じであった。
 

カムチェーンテンショナーAのフェイス面

フェイス面の荒れも少なく、厚みは5ミリ程度
残っている状態である。
全体に細かいヒビが見受けられるが、剥離を
起こすような物ではなく経年劣化的なもの。
テンショナー弾力は十分にあるが、スプリングの
テンション自体が低くなっている感じ。

カムチェーンガイドAのフェイス面

フェイスの荒れは少々見受けられるが、
使用するには問題ない状態。
厚みは5ミリ程度の残量があり、全体にしっかり
した状態である。
この部品の磨耗はテンショナーに比べると
ゆっくりとしているように感じる。

カムチェーンガイドBのフェイス面

この部品は上手に外せば車上で交換が
出来るかもしれない部品である。
黒い部分の材質は、最も柔らかい。
ガイド自体は端部が少々磨耗しているが、
使用上問題が起きるとは思われない状態。

一番大物のカムチェーンテンショナーAであるが、新品と比べても、ほとんど遜色は無い。
フェイス面もきれいで左右の振れを防ぐ凸部分にも変形や極端な磨耗は見受けられない。
私自身がこの部品を新品と比べた時に感じたのは、テンションスプリングの強さである。
これはテンショナー自体の張りの強さに直結するのだが、それが新品に比べて弱い。
もちろん..馴染んでいる部品なのでスムーズに動く事を考慮しても、引きが弱いと感じた。
おそらく、このスプリングのテンションが弱った事がカムチェーン音の原因の一端の気もする。
しかし、カムチェーンテンショナーの磨耗自体は使用限度を過ぎているとは思われなかった。
考察 40000キロ程度走行の車両の場合はカムチェーンテンショナー自体の磨耗を気にする必要は無いように思える。
    もちろん、その人のエンジンの回した方にもよるし..それなりに荒っぽく乗っている方は磨耗も激しいだろう。
    逆にエンジンを回さず、ツーリング主体の方は似たような状態であると思われる。

    テンショナー・ガイド自体は材質的にかなり硬質で、磨耗に対する耐性はかなり高いと思われる。
    この部品が磨耗するには、相当エンジンを回すか、走らないと限界には達しないだろう。
    そういう意味で、カムチェーンテンショナー・ガイドはエンジン内の消耗品では無いと感じた。
    私の場合..テンショナー・ガイドの磨耗よりも、10年ほど寝かせてしまった間にテンションスプリングが
    弱ってしまい、張力が不十分になっていたのかもしれない。
    テンションスプリングの張力が弱っていれば、いくら調整してもチェーンを押し切れないので、
    テンション不足になってしまい、結果的にカムチェーン音がうるさくなるのではないかと思う。

    カムチェーンテンショナー・ガイドを、何が何でも交換しなくてはならないというのは一種の病的不安で、
    実物は、相当頑丈に出来ている耐摩耗性の高い部品であると感じた。
 

2005年05月13日

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