愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 41

【腰上の整備 Part 5】(5月1日)

昨日シリンダーヘッドの取り付けが完了しているので、この日は「楽勝だぜ〜!」という気持ちで臨んだが..
途中でカムチェーンガイドBの取付ボルト(6ミリ)をクランクケース内におとしてしまう..
さらに、同ボルトを取付時に根元から折って、折れたボルトがエンジンに残ってしまうというトラブルが続出した。

この日の作業は、カムシャフトの取り付けから始める。
まずEX側カムシャフトを乗せて、カムチェーンを掛けてカムスプロケットの取付ボルトを締め付ける。
この取付ボルトは、緩めるときに相当傷めたので新品を購入しておいた。
タイミング位置を1・4・T位置に合わせて、カムスプロケットのポンチマークをヘッドに合わせて締めこむ。
次に左右のカムシャフトホルダーを仮止めしてから、IN側のカムシャフトを乗せて位置を合わせる。
カムシャフトの位置は絶対に間違えてる事は出来ないので、何度も、何度も繰り返し確認する。
SMに沿ってカムシャフトホルダーを取り付けて、規定トルクで締めこむ。
次に、カムチェーンテンショナーガイドとカムチェーンガイドBを取り付けてるのだが..
手が滑って、ボルトが..ボルトがカムチェーントンネルの中に落ちてしまったのである..。
これには正直いって絶望を感じた..取れなければ、クランクケースまで分解するしかないのである。
今までの苦労が水の泡になってしまう。

恐る恐るカムチェーントンネルの中を覗くと..おお〜っ!なんと幸運!カムチェーンに引っかかってる。
即座に余計な衝撃を与えないように静かに身を引いて、頭の中は高速で回転する..どうする?どうする?
と、一つの道具が頭の中にひらめいた! それは、ダイソーで300円で買ってきたマグネットアームである。
工具箱の中をさがすと..ありました。 それを伸ばして、静かに静かに..静かにボルトに近づけると、
アームの先端のマグネットに「カチッ!」とボルトが吸い寄せられて張り付きました。(やった!)
あとは静かにアームを引き上げて、ボルトを回収..よかった、本当に良かった!

ひと安心して、作業を進め始めると、今度はもう一本のボルトが根元で「ボキッ!」と折れてしまった..(T_T)
またトラブル..急いでカムチェンガイドを外し折れたボルトを見ると..面一で折れてしまっている。
これを抜くのは苦労しそうな感じで、脳裏に10数年前にマフラーボルトを折ったときの悪夢がよみがえる。
ガッカリしてボルトを眺めていても仕方ないので、先の鋭いポンチでボルトの折れた部分をコツコツ叩いてみると..
おっ!なんとクルクル回ってくれるではありませんか!
そこで、慎重にポンチを当ててコツコツ叩いて、ボルトの残骸がエンジンから数ミリ出てきたところで
バイスプライヤーで頭を挟んで一気に回して抜き取りました。(まともや幸運!)
はぁ〜..疲れた! 少し休む事にしてコーヒーなどを飲んで落ち着いてから作業再開です。

代替ボルトを規定トルクで締めて、シリンダーヘッド部分の組み込みを全て完了させます。
さらにカムシャフトホルダーを締めているボルトのトルクを再度確認します。
最後にオイルキャップとオイルストッパーを取り付けます。
このオイルキャップ・ストッパーは忘れる方がいるようですが、これが無いとカムシャフトのオイル溜りから
カムチェーントンネルにオイルが抜けてしまうので必ず付けるようにしなければなりません。

次にいよいよ、シムの調整ですが、バルブを掏っているのでシム厚は必ず変化します。
過去に何度かシム調整をやった車体ならば、何枚かシムが手元にあるはずですので用意しておきます。
バルブ隙間間隔(カムシャフト・シム間隔)は規定値が0.08ミリで下は0.06ミリから上は0.13ミリがキャパシティです。
この作業は過去に二度やった事があるので要領はわかっています。(vol30と同じなので今回は説明は省く)
計測の結果..私のシムは2.90〜3.05の間にあって、大きく外れている物はありませんでした。
そこで、スペアシムで不足している場合は既存シムの移動計画を練って、シムを入れ替えていきます。
これが案外と面倒で、入れては隙間を計測する事を繰り返します。
その結果..規定値から0.01ミリオーバーの場所が1ヶ所とぎりぎりの場所が1ヶ所ありました。
まぁ、これについては走行後にバルブが馴染んだ頃に、再調整をするので、そのときに交換します。
シム調整が出来たら、クランクを何度か回してシムを馴染ませます。
このとき、バルブ当りが無いかを確認し、カムチェーンテンショナーも緩めて調整しておきます。
と..これで、シリンダーヘッドの調整は全て完了しました。

この日はトラブルが二回あって疲れたのと、シム調整で案外と時間が掛かったので、
シリンダーヘッドの作業はここで打ち切り、セルモーターカバーパッキン交換などという気楽な作業をしました。
こういう部分は、エンジンが降りていれば簡単に交換できるのですけどね。(^^
概ねエンジンは完成してきているのですが..まだヘッドカバーは閉めてません。
 ヘッドカバーはエンジン搭載後でも閉める事が出来ます。
最終的なシム確認とカムシャフトへのオイル補充をしてから、閉めれば間に合います。
翌日は連休の中日で出勤なので、組立ても一休み..ちょうど良いタイミングです。

EX側のカムシャフトを仮付けする。
カムベアリング面には必ずモリブデングリスを
塗っておく事を忘れずに。
EXカムシャフトの位置が決まったら、
スプロケットボルトを取り付ける。
これがやりにくい!(トルクレンチは使えない)
 
EXカムシャフトの位置決めは、タイミングマークが
1・4・T位置でスプロケットポンチマークと
カム端部の合わせマークが合致する事。
EX・INカムシャフトを取り付けたら、
必ず合わせ位置を確認する事。
しつこいくらい確認する事!
 
こちらはIN側カムシャフトです。
タイミングがずれているとエンジンが壊れます。
暇があったら、ともかく確認!
カムシャフトホルダーを静かに締めます。
必ず一方締めをせずに、交互に締めていきます。
 
こ..これが、折れてしまったボルト!(T_T)
こうなった時は、どうするか悩みました。
ちなみにボルト落下時の画像は無いです。(^^;
 
鋭いポンチで地味に叩いて、頭が出てきました。
ここまで来れば、バイスプライヤーで回します。
 

折れたボルトと同じボルトが中古ストックで
見つかったので代わりに取り付けます。
 

慣れていても面倒なシム調整。
クリアランスを測って、シム厚を測ります。
それでSMの表で追って、交換シムを決定する。
オイルキャップとオイルストッパーを忘れずに!
これを忘れると、カムシャフトのオイル溜まりから
カムチェーントンネルにオイルが流れます。
小さいけど重要な部品です。

というわけで..ヘッドが決まりました。
新品のカムチェーンガイドBが光ってます!
 

二度のトラブルで疲れたのでこの日はここまで。
少し時間があったので、セルモーターの
パッキンを交換することにした。
 

一応完成したシリンダーヘッド部分

2005年05月07日

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