愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 40

【腰上の整備 Part 4】(4月30日)

前回のシリンダーヘッドとバルブ周りに引き続き、今回のピストンリングの交換は整備のハイライトである。
ピストンリングの交換は、交換するか考えたのだが..二度と腰上を分解するつもりが無いので交換する事にした。

シリンダーブロックは錆びると怖い(実際錆びやすい)ので部屋で保管しておいた。
ピストンリングの交換に際して、先にピストンスリーブのスカート部にあるゴムリングを交換しておく。
それと丁寧に古いガスケットも剥がしておく。
余談であるが..私はガスケット交換の再に極軽い面取りを行なっている。
人によっては嫌う方もいるようであるが、私はパーツには必ずバリがあると思っている。
いままで、この方法でガスケットを交換してきて、オイルが漏れたことは一度も無い。
そして(ニヤリ)..新品のカムチェーンテンショナーAを取り付ける(大物パーツ登場!)
シリンダーブロックは、どうにもならないけど壁面の傷などもチェックしておこう。
意外とシリンダー面に線傷がある方が多いようだけど、私のは傷一つ無い見事なシリンダーであった。(^^
このシリンダー面を見たとき、なにかとても安心した。

さて..ピストンリングであるが、Fのピストンリングは、5枚構成で3段のリングである。
このリングを各120度開き(オイルリングは各合口20ミリ)で設定して、シリンダースリーブに押し込む。
リングはオイルリングを除いて、『R』マークのある方が上面になるので間違えないように注意する。
Fのリングは、かなり柔軟で2ストローク車のリングのように折れたりする事は少ないようだ。
しかし、上二段のリングは細心の注意を払って扱ったほうがいいだろう。(でも結構融通が利く)
ピストンの上に360度の分度器を置いて、ピストンにマークをして各リングの合口の目標にする。
どのリングをどの方向に..という事は無くて、120度間隔でリングが納まる事だけに注意する。
各ピストンの下側(オイルリング)から入れていって、各リングがスムーズに回転する事を確認する。
これだけは、少なくとも3度は確認して、各合口を120度位置に合わせる。
実際には、全てのピストンは各リングは同じ方向にセットするのがわかりやすい。
つまり、前から見てトップリングは右120度位置、セカンドリングは左120度位置..といった具合。

リング位置が決定したら、2・3番ピストンを上死点位置にして、新しいガスケットを入れシリンダーをゆっくり下ろしていく。
ここで、私はケチって、ピストンリングコンプレッサーを持っていないので、ひたすら慎重にリングを入れていく。
実際、Fのピストンは62ミリなのと首が短くて、車用のピストンリングコンプレッサーでは使い物にならない。(らしい)
この作業はリングの合口をチェックしながら進めるのだが、トップリングは素直に入るが..セカンドは言う事をきかない。
それでも、なんどか短気を起こさずにトライすると..ガポンといきなり入り込む。
しかし、それで安心してはいけない!まだ1・4番が残っているのである。
1・4番はクランクを回して、少しづつ入れていくのだが..こちらもやりにくい。
でも..2・3番で「これはやり難いけど入る」というのが頭にインプットされているので、ひたすら努力する。
シリンダーが座ったら、次はシリンダーヘッドである。
まず、忘れずにカムチェンガイドAをシリンダー前方に取り付ける。
そして、これも新しいガスケットを入れて、カムチェーンを逃がしてから静かに押し込んでいく。
シリンダーヘッドは、特に抵抗になるものが無いので、すんなりと置くだけである。
あとは、スタッドボルトのナットをSMに従って、数回に分けて対角に(締込指定あり)締めこんでいけばOKである。

本日の作業は、ここまでだが..ヘッドまで載ると、いきなりエンジンらしい形になってくる。(^^
作業的にも、この時点からは折り返しの組立て作業にはいる。(後半戦ということである)
しかし..バラすより、組み立てる事の方がはるかに面倒なのは事実で、この先カムシャフト取り付けがあり、
そして、あの面倒なタペット調整がまっているのである。

前日がんばって組んだシリンダーヘッド!
バルブの納まりを再チェックし、プラスチックハンマーなどで
バルブリテーナーを丁寧に叩いてコッターを落着かせる。
 

こちらはシリンダーブロック。
古いパッキン・ガスケットは綺麗に落としておく。
シリンダーの壁面の傷などもチェックしておく事。

シリンダースカート部分のパッキンも忘れずに
交換すること。(これは丁寧に押し込む)
新品のカムチェーンテンショナーAが登場!
外した物も、特に磨り減っていた気はしないけど
張力は新品の方が明らかにある。
 
ついでにプライマリーチェンガイドもチェック!
まだまだ十分に厚みがあり使えそうだった。
ピストン上面のカーボン落としを行う。
こちらは4番と3番ピストン。
だいたい、1個に1時間といった進み具合。
 
こちらは2番・1番ピストン。
メタルクリーンを塗って、しつこく磨く!
忍耐だけが必要な、根気の要る作業..(T_T)
仕上がった状態です。
側面はボア径に影響が出るので、そのまま。
かなり疲れました..特に腰が痛いです。
 
ピストンにマジックで120度マーキングします。
これにあわせて、ピストンリングを取り付ける。
 
新品のSTDサイズのリングセット。
ちゃんと取り付いたら、一度回してみる事。
その後に合口をそろえてチェックする。
 

シリンダー挿入中の画像は無いです..。
一生懸命で撮る余裕がありませんでした。
これはシリンダーが座った状態です。
 

新品のカムチェンガイドAです。
外した物も、まだ使えそうでしたが、
やはり新品は..「どうよ〜!」って感じです。
シリンダーヘッドを載せて納まり具合をチェック。
カムチェーンが落下しないように気をつける。

シリンダー締め付けのナットを取り付ける。
ワッシャーなども確実に取り付け、規定のトルクで
SMの順番どおりに締め付けていく。
完全に締めたら、バルブリフターを戻す。
 

  これでシリンダーヘッドが載って、なんか出来てきた感じになります。
 ここまで来たら、もう後には戻る事は出来ません。
 今回の作業で、今回発注した交換部品の大半を組み込みました。

 この日の作業で、一番面倒だったのはピストンの洗浄..。
 一番難しかったのは、シリンダーへのピストン挿入でした。
 特にリングの合口をずらさないように、なんどかやり直すのですが、
 それでも、「だいじょうぶか〜..」と不安になります。
 なんにしても、セカンドのピストンリングが入りにくいです。

 それから、私は#1200の紙やすりで、シリンダーやヘッドの
 バリ取りをしてからガスケットやパッキンを入れますが、
 やる必要は無いのかもしれません。
 バリを取る時は、本当に少しだけ擦ればいいでしょう。

 ヘッド締めているナットについてですが..
 モリブデングリスを塗って締め付けます。
 しかし、必ず緩むと思ったほうがいいでしょうね。
 数ヶ月後にシムの再調整の折にでも、最締め付けしてあげましょう。
 
 

   

2005年05月06日

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