愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 39

【腰上の分解整備 Part 3】4月29日(金)

いよいよゴールデンウィークに突入した。今年は前半三日、後半三日という休みの予定である。
初日の作業はシリンダーヘッドを分解し、メタルクリーンで洗浄してからバルブを取り外し掏り合わせるという
地味な作業である。 しかし、この作業は、今回の分解整備中でも最も重要な部分で、ハイライトなのだが..
やはり..地味で、なおかつ、地味な割りにかなりの忍耐と重労働でもある。(-_-;

まず、バルブコンプレッサーに25ミリのヘッドを取り付けてバルブを分解しバルブステムシールを取り外す。
次にメタルクリーンをお湯に溶かして、シリンダーヘッドをドブ漬けして放置し、
しばらく経ってからカーボンを落とし始める。
本当は数時間放置すると良いそうなのだが、今回は1時間ほどで作業開始。
それでも大きなカーボンがボロボロ外れていくのは擦っていて面白い。
だが..面白かったのは最初のうちだけで、その後はこの単調な作業を根気で繰り返すだけである。
約3時間ほどでヘッドのカーボンをきれいに落とし、その後バルブのカーボンもきれいに落とした。
しかし、ここで問題発生! バルブのカーボンを落とす過程でEX側の8本中の数本が混ざってしまったのである..(T_T)
これには困った! 正確なバルブの並びが不明確になってしまったのである。(どうしよう..)
しかし、クヨクヨしても仕方ないので、ヘッドにバルブを挿してみて納まりを確認しながら掏り合わせる事にした。
まぁ..完全に掏り合わせてしまえば、問題は無いだろうと考えてバルブの納まり位置を何度か確認しながら
摺っていったのだが、この作業は正直言って、かなり疲れた..。 光明丹を塗っては掏って、手のひらも痛くなってきた。
掏り合わせを始めて4時間、ようやく納得のいく状態に仕上げる事ができた。

バルブが完成したので、新品のバルブステムシールにオイルを塗布して交換する。
私にとって、今回の作業中、一番やりたかったのは、このバルブステムシールの交換である。
実際..白煙こそ噴いていなかったが、マニホールドの中はベタベタしたので、オイルは漏れていたようである。
EX側ならば、排気熱でオイルも飛んでしまうが、IN側はカーボンとなってベッタリ付着してしまう。
次にバルブスプリングの自由長を計測して、16本のうち3本が使用範囲ぎりぎりだったので、
以前中古シリンダーヘッドをオークションで買った際に付いて来たバルブスプリングを測定した上で使用する事にした。
バルブの組付けは、外した部品を元通りの位置に入れて、バルブスプリングの向きに注意しながら取り外しの
逆の順序で行うのだが、ヘッド側にバルブスプリングを受ける薄いワッシャーを入れるのを忘れてはいけない。
バルブは外すのよりも、組む方がかなり面倒で時間が掛かるが、根気良くやるしかない。(-_-;

こうして..ようやくバルブが取り付いたら、指先で丹念にヘッドとの凹凸を確認する。
出っ張りすぎているヤツとか、引っ込みすぎているヤツがいたら再度シート面をチェックする事も必要だろう。
なにしろ、この作業だけは『根気と忍耐と集中力』で乗り切るしかない。

シリンダーヘッドから、バルブリフターを
外して順番に並べておく事。
新品購入のバルブスプリングコンプレッサー
左から二番目の25ミリヘッドピースを使う。
 
バルブリテーナーを押下げてコッターを抜く。
外したら必ず分別しておく。
バルブが外れバルブステムシールが見える。
このシールがへたったり傷付くとオイル下がりに
なる。 これをぜひ交換したかった!(--)/
バルブステムシールはラジオペンチなどで
引っ張れば外れる。 これは外した状態。
バルブガイドが見えている。
バルブステムシールが不良でバルブを伝い
オイルがマニホールド内に混入すると、
こんな状態(左)になる。(ううっ..!)
 
カーボン除去剤(メタルクリーン)を湯で溶かす。
600ccのメタルクリーンに20リットルのお湯。
 
シリンダーベッドとバルブをドブ漬けする。
しばらく放置して、カーボンが浮き始めたら
真鍮ブラシなので丁寧に洗う。
 

ヘッド洗浄中。 
メタルクリーンは洗剤なので擦ると泡が立つ。
試験管ブラシが洗浄には便利。
 

洗浄後の1・2番燃焼室。
 

洗浄後の3・4番燃焼室。

光明丹を塗布する。
これでは少し塗りすぎ..(^^;
 

バルブラッパーで掏り合せていく。
掏り合せ面は1ミリ〜1.2ミリを目標にする。
 

擦り合わされたバルブフェイス側。
こんなもんでしょう。(^^;
 

バルブシート側
自己満足ですが..いい感じ。
新品のバルブステムシートにエンジンオイルを
塗布してバルブガイドに丁寧に差し込む。
(おおっ!これでオイル下がりともおさらば!)
 
バルブスプリングはノギスで全て計測。
規定値以下なら交換するのが良いですね。

バルブを外す逆の順番で組み込む。
これはかなり面倒な作業です。
根気と忍耐で乗り切りましょう。

 こうして..全てのバルブが組み込まれました。
 しかし、すんなり組み込めたわけではありません。(^^;
 こうして裏側から見ると、右側が1番シリンダーになるのですが、
 アホな私は逆から組んでしまったり、バルブを間違えてしまったりと
 結局16バルブ分の作業では済みませんでした。

 それと、途中で位置不明瞭なバルブが出てしまい、
 結局..バルブを据えてみて、納まり具合の良さそうな位置で
 バルブを掏り合せて組み込んでしまったり、
 全部組み込んだ後に、バルブの高さが気になって、
 バルブ位置を変えて、さらに掏り合せて納めました。

 そんな間違いもあったのですが..
 最終的には、とても綺麗に納まる状態にまでなりました。
 本当はSM通りにやるのが正解なのですが..
 取り付いたバルブを見ていると、どうしても凸凹が気になってしまい
 バルブの位置を変えるという掟破りをやってしまいました。
 まぁ..完全に掏り合せてしまえば、同じ事なのですけどね。
 

2005年05月05日

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