愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 30

 

【シム調整(分解調整)】

前回の記録で、タペットの音が気になり出したのでシム調整を行う事にした。
私のような素人には、シムの調整はヘッドカバーを開ける少し気が重い整備なのである。
前回のシム調整は友人のTに手伝ってもらい12年前の25000キロ走行時に行なってあるので、
大きな狂いは無いと思っているのだが、10年間寝かせていたので内部の錆びも気になっていた。
おまけに、カムシャフトカバーから微細なオイルにじみも起きて来たのでヘッドパッキンも交換時期である。

タンクやシートを外して、固着したヘッドカバーを少し叩いて、少しこじると簡単に外れてカムシャフトが顔を覗かせた。
10年間も寝かせたので、錆が回っていると考えていたのであるが、状態は良く錆など浮いていない。
ACJのカバーを外して、マニュアルどおりクランクを回しカムシャフトを測定位置に向ける。
新品の隙間ゲージを買っておいたので、シムとカムシャフトの隙間を記録しながら複数回測定を始める。

CB750Fはアウターシム式という形式で、バルブホルダーの上にシムカップがあり、そこにシムが収まっている。
その為、専用工具を使えばカムシャフトを外さずにシムの交換ができる便利な形式である。
しかし..シムの隙間が大きくなったり、シムの取り付けが悪いと、シムが抜け落ちてヘッドを壊してしまう恐れがある。
ちなみにCB750Fにシムクリアランスは0.06ミリ〜0.13ミリ(中央値0.08ミリ)というシビアな数値である。
 


で..測定結果は、16本全てが規定値に収まっていた。
唯一、インテークの2番シムだけが、0.13ミリと規定値ぎりぎりだったので、シムを交換する事にした。
シムの交換は、カムシャフトを最大リフト位置にして専用工具でバルブホルダーを押し下げて、専用工具でシムを抜く。
抜き取ったシムは、マイクロメーターで測定して、必要シムを選び出して交換する。
インテークの2番シムを抜いて、マイクロメーターで計測すると厚みは2.97ミリであった。
前回交換時のデーターを見直すと、このシムは3.00ミリであった事から、0.03ミリが磨耗した事になる。
そこで..シムを選び出すわけだが、交換シムは2.98〜3.04ミリの厚みが必要になる。
純正部品の厚みは「2.95・3.00・3.05」と0.05みりピッチなので、3.00ミリを入れなおせばぴったりである。
手持部品を探すと、運良く前回購入した3.00ミリが1枚使わずに保管されていたので、これを使用する事にした。
早速、3.00ミリの新品シムをマイクロメーターで計測しシムを交換する。
専用工具を抜き去りカムを数回転まわしてから、隙間ゲージで計測すると、0.08ミリになっていた。
それにしても..もっとシムは削れてしまっていると予想していたのだが、思いのほか規定値内に収まっていた。
この事から、自分なりに考えてみるとバルブ周りのカーボンの堆積も、考えていた状態より少なく、
12年前の調整時から極端な増加はしていないという事である。
 


シムの調整を完了して、カムチェーン周りを目視でチェックしてみる事にした。
カムシャフト間のテンショナーの減り具合は、まだまだ問題なく使えるようであるが、
メインのテンショナーについては目視できないので、鏡を使ってデジタルカメラでチェーントンネルを撮影して、
画像処理して確認したところ、こちらも問題がないようである。
そうすると..気になっていたヘッド周りの騒音はなんだろうと? と考えてしまった。
しかし、シム隙間もチェーンテンションも問題ないので、「全体的な経年劣化」としか考えられないのである。
まぁ確かに25年・38000キロ走行の車体なので、エンジンも老朽化して当然である。
でも、今回シリンダーヘッドを開けて確認した状態では、まだ問題なくきれいな状態なので、しばらくは大丈夫だろう。

2005年02月20日


 

 

inserted by FC2 system