愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 143

【ユーザー車検】

 3月末に車検準備の整備を行い車検を受ける準備は整っているのだが仕事が休めない・・。
4月半ばの予定が延びて、ようやく4/30に予約を入れたが、仕事の予定が入って中止になり5/2になってしまった。
予約は第3ラウンドに入れたので午前中に車検場に着いて予備車検を行なって、ゆっくり書類を書く時間もある。

 当日は朝から嫌な感じがあった。
予報では「晴れ」となっていたのだが夜半から雨が降り出して、朝8時になってようやく止んだのである。
なんか、幸先が良く無い気がしたのだが、バイクを車庫から出してざっと点検して問題点は見当たらなかった。
しかし、エンジンを始動すると、なんとバッテリーが弱っていてセルがか細くしか回らない!
バッテリーは中華製だが激安新品に交換したばかりなのに・・やっぱり中華物は世界の三流品か!
いや、いかにダメな製造国の物でも枯れた開放バッテリーだからサル以下でも製造できるだろう。
そうだ、30分だけ充電して、あとは走行しながら充電すれば車検の間くらいは持つのでないか? 

 
激安中華バッテリーを中華充電器で充電中・・大丈夫か?

 しばらく充電したら、セルは息を吹き返し一度エンジンが掛かってしまえば快調そのもの。
「何とかなるかも・・」と思い、無駄なライト点灯などは一切避けて20キロの道程で湘南車検場に到着した。
予備車検をする前に書類を準備しようと思い、車検場で書類と印紙などを買って書類を作り始めたが、
バッテリーへの不安などもありバックからコンパクトカメラを落として電池の蓋が壊れてしまった。
なにか嫌な感じがするというか、悪い事が次々と重なってきている気がする。
尤もカメラは安物の中古コンパクトなのであまり気にもしなかったのだが・・。
書類を作成していると、提出前に自賠責保険に加入しなくてはならないので、書類作成を中断して予備車検場に
向かうためにバイクの所に戻るりエンジンを始動・・キュン、キュン・・ボッ! なんとかエンジンは始動した。
しかし、車検場前の予備車検場に行くまでに一度エンジンが停止、キュン・・キュン・・ボッ。
またもや何とか始動したけど、このときハッキリ分かった・・「この状態では車検を通過させることは出来ない」
そう結論したら、こんな所に居ても仕方ないのでエンジンが回っている間に帰宅することにした。

 帰宅しながら頭の中では方策を思案していたのだが、どう考えても短時間で満充電にする事は不可能である。
後間の中では自問自答による状況分析が行なわれている。
 「バッテリーは中華製ながら新品なので劣化はほとんど無いはず・・とすればセルモーターか?」
 「もしかしたらジェネレーターからの充電が出来ないのか?」
 「いや電圧計は14Vを超えているから発電には問題は無い・・とすればセルモーターか?」
 「セルモーターなら問題が大きいが、冷間時も暖間時もセルの周りが弱いというのは・・違うのか?」
 「どちらにしても、今この状態では車検は通過しないことは確かだろう・・しかし、なんとかならないか。」
などと頭の中でグルグルと考えて走らせていると、前に車が割り込んでノロノロ走っている。
 「どうした? 随分と遅いじゃないか・・こっちは急いでいるのだ。」と思った矢先、警察の速度計測器の横を通過!
ノロノロ走っているのは速度超過の取締りをやっていたからで、前の車のおかげで私も捕まらなかったのである。

 この瞬間・・なんというか、スイッチがOFFからONに切り替わったような気がした・・ 「ついてる!」
帰宅してから、 一度頭を冷やして冷静に考えてみることにする。
速度超過で捕まったら10000円は反則金で支払う事になっただろう・・それだけでも儲けものだ!
それに加えて、私はこのバイクに絶対の信頼を置いているので、頭の片隅に「何とかなる」という思いがあった。(笑)
「大丈夫!まだいけるさ。」という気持ちが湧き上がってきた。(笑)

 もう一度、車庫に戻り片隅から先月はずしたばかりのACデルコのバッテリーを引っ張り出して載せ換えてみる。
セルを回してみる・・キュンキュン・キュン・・ボン! おっ、こっちの方が勢いがありそうだ。
そこで更に以前使っていた古い充電器を出してきて、充電モードから始動モードに切り替えてみると
キュンキュンキュンとセルは勢いよく回る。
「セルモーターではない」という結論が出たことで残りは「バッテリーのチャージ不足」という事になった。
しかし、今は原因を追究しているときではない、充電器を充電モードに切り替えて充電開始。

 最終の第4ラウンドの時間を調べてみると・・
書類受付 14:00-15:45 検査時間 14:30-16:00 となっており、現在は13:00であった。
頭の中で時間を逆算して計算すると、予備車検と書類受付と往路の時間で1時間少々は必要なので、
14:00がギリギリの出発時刻と結論して古い充電器に全てを任せることにした。

 14:00少し前に充電器を切り離しセルを回すと・・キュン、ボッ!とエンジンが始動した。
 「大丈夫、多分大丈夫・・このバイクは土壇場に強い。」 と自分に言い聞かせて出発する。
時間が惜しいので一般道ではなく、小田原厚木道路で一気に湘南車検場まで走らせて14:30頃到着。
予備車検場にて自賠責保険と光軸調整や速度計チェックを行い、車検場に戻り書類申請を済ませる。
第4ラウンド車検は既に始まっているので、1コースまで車体を走らせる為にエンジンを始動する。
この時点ではバッテリーはまだ持つようで、エンジンは問題なく始動して1コースの入り口に到着。
再びエンジンを停止させるが・・多分、もう一回か多くても二回までしかセルは回せない予感がした。 

 
待機線で停止中・・バッテリーよ、頼むぞ〜!  
   

 検査官が近づいてきた、書類を渡して車体番号や外観寸法などをチェックされ、エンジンを始動。
頼む!回ってくれ! キュン、ボッ! セルは何事も無いように一撃で回りエンジンがすぐに始動した。
エンジンさえ回ってしまえ、今の状態なら安定しているので止まる事は無い。
私はこのとき「何とかなる」から「もう大丈夫だ!」という確信があった。

車検コースから無事に出てきた。 新しい車検証が発行されました。

 やはり土壇場に強かったのだろう。
車検のラインに乗ってもエンジンの回転を意識する事も無く、光量測定も少しだけ回転を上げただけで一発で通過。
書類に押印をもらって、事務所まで移動させて新しい車検証を発行してもらったとき、正直ほっとした。
もうバッテリーが上がっても、近くの予備車検場で始動させることが出来ると思った。

 ほっとして缶コーヒーなど飲んで一休み(脱力状態)して車検証を眺め回して満足感に浸る。(笑)
さて、帰ろうかとエンジンを始動・・キュ、キュ。。 ありゃバイクの方も脱力してしまったようでセルが回りません。
なんとか目の前の予備車検場に駆け込んでクイックチャージャーでセルを回してもらいました。
先ほど予備車検を受けたばかりなので快く対応していただけました。(栄和自動車さん)
これで執行猶予二年が与えられたわけで、二年間のうちにバッテリーのトラブルを解決すれば良いわけです。

 帰路は先ほどとは違い、バイクをのんびりと走らせながら再び原因について考えてみました。
今度は「ACデルコなら1時間充電で何とか持った」・「クイックチャージャーで始動可能であった」という二つの新事実が
条件に加わりましたので、「セルではない」「ジェネレーターではない」という結論は簡単に導かれました。
では単純に中華バッテリーは中華レベルだったのか? ということに行き着くわけですが・・それもどうかと。
もう一点は、充電方法なのですが、通常私は小型の中華製充電器で充電しています。
この充電器は開放型でも密閉型でも充電できる便利な安物ですが・・充電能力はどうなのか? という点です。
そこで帰宅して放ったらかしにしてあった中華バッテリーを古い充電器で8時間再充電する事にしました。

箱根峠にて芦ノ湖を望む

 翌日・・午前中にフル充電されたバッテリーを載せてみたところ、当然のようにセルは元気よく回ります。
そこで、少し走らせて様子を見ようと思い立ち、家の用事を済ませてから箱根まで出かけてきました。
その間、なんどか停車させたり休んだりしながら100キロほど様子を見たのですが、全く問題はありません。
停止電圧も12Vを超え、通常走行でも14.4V、ライトオンで14.6Vと全く正常です。
このことから、バッテリーの初期充電が不十分であったのではないかという答えが導かれるのですが・・
これについてはもうしばらく検証してみる必要がありそうです。

 少なくとも・・「ジェネレーターの発電電圧は正常」・「セルモーターは冷間/暖間ともに正常」のようです。
他に問題点があれば、次回以降の走行で出てくると思います。
今回のこともあり、捨てようと思っていたACデルコは「廃棄処分」から「バックアップ」へと格上げされました。
問題が決着するまでは、フル充電された状態で待機しています。(笑)

 それにしても・・
今回の車検は、車検場を二往復するだけでなく、不安・落胆・期待・安堵で走らせたので疲れました。
でも、やはりこのバイクは土壇場に強く、私を裏切るような事はありませんでした。(笑)

 
2013/05/04
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