愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 117

【エンジン調整:前編】 

 車検も無事に終わったので連休を前にエンジン系の整備を済ませようと思い立った。
今回の整備項目は..シム調整・キャブレター同調・ジェネレータローターの増し締め・ブレーキ再整備。

(2009/04/11)
 先ず手始めにシム調整を行う事にして外装を外してヘッドはバーを開ける。
シム調整は前回の調整から約9000キロほどなので、まだ調整の必要は無いと思うけど..。
計測してみると16個のうちの2個が規定ギリギリなので交換する事にして、手持ちからシムを探すと
ちょうど良い数値の物が見つかったので、シムをマイクロで計測して交換する。
馴染ませるためにクランクを回してから隙間を再計測してOKである。

   
整備開始!ローターカバーを開ける。 ヘッドカバーも開ける。
シムとカムのクリアランスを計測して記録。 クリアランスオーバーのシムを計測。
入換え候補のシムを計測。 入換え後の再計測。
   

 まぁ..ここまでは何度もやってきた事なので慣れたものである。
ヘッドカバーのパッキンは傷みが少ないので洗浄して再利用することにしてヘッドを閉じる。
しかし..ここでトラブルが発生!(-_-;

ヘッドカバーを固定するボルトが一個空回りしてしまう..つまりナメたのである。
ナメたのはカムホルダーEで、スペアのパーツ(ジャンクヘッド)は一応持っているのだが、
このカムホルダーという物はヘッドとの組み合わせ物なので容易に交換することが出来ない。
そこで..カムホルダーを観察して母材が十分に強度と肉厚がありそうなのでヘリサートを使う事にした。

 挿入するヘリサートはM6なので、ヘリサートタップでナメたねじ山に沿ってタップを立てる。
その後インサーターでM6-1.5D(挿入長9ミリ)のヘリサートをねじ込んでいく。
作業自体は問題なく、見事に強度を増したM6のネジが成型された。(^^

 ヘリサートの事は以前も書いたのだが、もう一回おさらいすると..
ダメになったネジに沿ってヘリサートネジ(オーバーサイズ)を削って、コイル状のヘリサートを入れる。
母材側のネジサイズは大きくなるので母材に対するネジの接触面積は増加する。
更にヘリサートが母材ネジ山とボルトとの間に挟まって接合を増加させる事で同じネジ寸法でも強度は上がる。
そのため、同じサイズのボルトでもより大きなトルクに耐える事が出来るのである。
また、インサートナットタイプとは違いワンサイズオーバー程度なので母材の肉厚にも影響が小さい。
古いバイクのエンジンなどは経年/熱劣化で弱くなっているのでヘリサート処理が理想である。

   
ねじ山がダメになったEホルダー。 ヘリサートタップでネジ山を切る。
ヘリサートインサーターで挿入する。 より強固なねじ山が出来上がった。
   

 というわけで..Eホルダーのネジは解決したのだが、キャブ側のLもなんか怪しい。(-_-;
どうしようか悩んだ末に、Lホルダーもヘリサート加工する事にしたのだが..これが失敗の元。
Eホルダーのタップを立てたときに作業し難かったので、今度は外さずにタップを切った。
そしてヘリサートの挿入をしたのだが..この最後の方で「ピッチとび」が起きたと思う。
(ピッチとびはヘリサート挿入のときに押して入れると起きてしまう..つまり「素人」という事。)
それで..試しにヘッドカバーのボルトを締めてみると、残り3山程度残しで入らない。
少し締めてみると..全部入ったのだが硬い感じがするので抜いてみると..ネジが3山削れてしまっていた。
このときは原因がなんだか分からずに「ねじ山がおかしい」と思って、M6(正規のM6)のタップでネジ修正を
試みるが、タップの方が削れてしまう始末で、なんか原因が分からなかったのである。
そこで、ネジの先端が3山削れてしまったヘッドボルトを採用することにする。
ここら辺は古いバイクなので、ある程度の妥協は仕方ないと思っている。

 もう一ヶ所..Hのホルダーも不安があるので、ヘリサート処理を行う事にする。
これはLホルダーの轍は踏まないように慎重に加工したためガッチリと奥まで二本のヘリサートが挿入された。
このHホルダーの状態から「Lホルダーのヘリサートは奥の3山が異常だ」感じたのである。
しかし、ヘリサートを抜くのは容易なことではないのと、母材の交換が効かないので見合わせる事にした。
Lホルダーのネジ部を覗くと、挿入したヘリサートは1.5Dなので十分にネジが形成されている。
4〜5山はネジに掛かりそうなので、900グラムの締め付けトルクには十二分の強度である。
深追いをすれば母材を潰す事になるので「問題なし」と結論した。

   
Lホルダーのねじ山も修正する。 ヘリサートを挿入するが・・
締めてみると違和感がある。 ダメになってしまったボルト。(泣)
中央のホルダー(番不明)も修正する。 こちらは上手くいって取り付ける。
トルクレンチでホルダーを取り付ける。 ヘッドカバーを閉じる。
   

 さて..ようやくヘッドカバーを閉じて、ジェネレーターカバーも閉じることが出来る。
その前に、ジェネレーターローターの取り付けボルトをチェックする事にする。
昨年の11月にローターを交換して9.5キロで締め込んだけど、1000キロ程度走ったので増し締めを行う。
このローターが緩んでしまうと、最悪はステーターが破損してクランクケースの取付がネジがダメになる。
私ら素人がローター交換をした場合は、必ず再チェックをした方が安全な部分である。
というわけで..リアブレーキを掛けて9.5キロで締込みを行いました。(ウガァァ!)
今回はセンタースタンドがあったので、昨年11月の時よりはずっと楽です。(センスタは偉大です)
と..この日はここまでで終了して、外装を組み立ててエンジンを始動して(実はこれが後で怖かった)
オイル漏れなどを確認して終了しました。

   
ジェネレーターローターの増し締め。 ローターカバーを取り付ける。
やっと完成。 エンジンを始動して様子を見る。
 

その夜・・作業の内容を確認するために、画像を見ていて青くなった。(>O<;
「あれ..オイルストッパーキャップ..どうしたっけ?..外しては無いけど..あれ?」
画像で確認できるのは、このキャップが反対側に置いてあるまでしか分からない。
ここでエンジンを掛けてしまった事が不安を掻き立てた..もしかしたらクランクに落ちた?
この日は気になって、あまり寝た気分ではなかった。(-_-;
それにしても、後々に画像で整備を判断できるというのは便利だと思う。

2009/04/21

inserted by FC2 system