愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 105

【ジェネレーター Part1】(2008/10/13.)

エンジンが停止してしまった原因は電力が不足している事が原因なのは分かっているので故障原因箇所を特定する。
まぁ..単純にバッテリーの劣化という事は有り得ないので、レギュレーターかジェネレータのどちらかである。
インターネットでいろいろと似た症状の原因を探ってみると、どうやらレギュレーターの線が濃厚。
しかしサービスマニュアルを確認して、レギュレーターの導通状態を確認することにした。

レギュレーターの回路図(といっても常数等は載ってない)を見ると、レギュレータの内部構造は
「整流回路」と「安定化/遮断回路」の二つに分けれており、三相交流を両波整流して直流を生み出している。
そのためダイオードは6個必要という事になるのだが..テスターで当たる限りダイオードは壊れてない。
では、ダイオードの先にある安定化回路はどうかというと..「不明」である。
回路の常数が分からないので調べようが無いというのが本当のところである。(笑)
それでも「怪しい」と見る..というか、手軽な場所から疑ってみるのが基本?なので、レギュレーターを探す事にした。
すると、オークションで「新品レギュレーター」が少しだけ安い価格で出品されていたので即落!
週末には手元に到着したので、休日を待って作業に入ることにした。

【レギュレーター交換】(2008/10/19)

バッテリーをフル充電して、レギュレーターを交換してエンジンを始動する。
バッテリーのみでの電圧は12.7ボルト程度でエンジンが動き出すと..13.0ボルトに上昇。
エンジンの暖機を終えて4000rpmまでエンジンを回すけど13.0ボルトが誠意一杯..ダメだ!
がんばって4000rpmを維持すること数十秒..しかし13.1ボルト以上にはならない。
そこで古いレギュレーターに再び交換してエンジンを始動させると..同じ結果の13.2ボルト。
という事は「故障の原因はレギュレーターではない」ことが分かった。(T-T)

そうなると、このレギュレーターは無駄買い?
いやいやそんな事は無い! Fのレギュレーターは故障率が高いのだ。
故障する前に交換すれば、故障を未然に防げるので「意味は十分にある」ということ。(^^
それは良いんだけど..レギュレーターでなければジェネレーターが故障しているという事である。
そこで、ジェネレーターを手持ちのスペアに交換して見ることにした。

Fのジェネレーターは「ステーター/ブラシユニット」と「ローター」に分かれている電通による励磁タイプ。
最近のジェネレーターは価格と故障の面で優れる永久磁石による励磁が多いけど、それぞれ長短はある。
よく永久磁石型なのでメンテナンスフリーと間違ったことが書かれているが、永久磁石式のものは
磁気自体が徐々に弱っていくので、発電量が落ちることには変わりない。
ただブラシなどが無いので定期的なメンテナンスの必要が少ないというだけの事である。
まぁ..能書きはともかく、先ずローターを外すことにする。
取り外したレギュレーター..これが原因か? 新品と故障(疑い)したレギュレーター。
新品レギュレーターでも電圧は出ず! 故障(疑い)のレギュレーターでも同じって事は・・
【ローターの交換】(2008/10/19)

ローターコイルを外すには、先ず10キロ/mで固定されているボルトを外すのであるがこれが一苦労!
リアのブレーキを掛けっ放しでギアを入れて締めこんでいくのだが..
こういう作業にはリアタイヤが接地しているホイールクランプがとても有効である。
なんとか苦労して固定ボルトを外しても、ローターはクランクシャフトに噛んだままである。
これを抜くには特殊工具..というか18ミリのボルトが必要である。
Fの場合はリアのアクスルシャフトが、そのサイズなのでスペアのアクスルシャフトをローターにねじ込む。
しかし..これは簡単には抜けない! あれこれやったけどアクスルシャフトでは長すぎて力が入らない。
そこで、仕方なく地元のアストロプロダクツまでひとっ走り! ローター抜きの特殊工具(2900円)を購入した。
この工具は、人の足元を見た典型的な「ぼったくり工具」である。(-_-; でも..仕方ない。
そのローター抜き工具を更に締めこんで..軽く工具を叩くとローターがやっと外れた。

次にスペアのローターを取り付けて締めこむ。
さてどうか!エンジンを始動して電圧をチェックするが「全く変わらず」である..どっと疲れた。
という事は、残るは「ステーター」という事になるが、ステーターも簡単には外せない。
6ミリのボルト3本がガッチリ固着している状態である。
どうする・・? ここで慌てたり焦ったりしてはいけない! ここが直らなくてもほかに全く影響はしない。
というわけで、頭を落ち着かせて平時状態に戻って考えて見ると..
「どうせ巻き直しか新品交換する」のならステーターを外してから落ち着いて作業すれば良い。
ローターも外して、バイクを復元して今日はおしまいにしよう。・・・と結論した。(^^;
そんなわけで、ジェネレータカバーごと外してバイスプライヤーで固着したネジを外した。
もちろん、このネジは再使用せずに新しい物に交換する。
というわけで..カバーを戻して、この日の作業は終了した。

ローターとステーターはどうするか? 新品を購入するなら6万円程度は掛かると思われる。
しかし、この問題部品は欠品になっている事が多いので在庫があるかどうかも怪しいものである。
ローターとステーターは所詮は銅線の巻物なので「巻き直し」をしてもらう事にした。
その場合の費用はおよそ26000円程度と新品購入の半分以下でリーズナブルである。
ただし..修理物なので当然リスクは承知の上である。
というわけで、インターネットから東京のヒューテックさんにお願いする事にした。
このショップはマニアックな旧車を扱っていて、コイルの蒔き直しなどもオークションで行っている。
どうせ巻き直すなら「強化巻きでケーブル類も新品」という事で発注した。
ローターの固定ネジを外す。 ボッタクリ工具!これが特殊工具?2900円!
それでも抜けたから..いいか。 ローターとステーターは蒔き直しへ。
【発電機からのサイン】

今回の事は急に起きた故障なのだろうか?..実はそうではない事は自分でも薄々分かっている。
過去に遡って考えて見ると..

・2003年にこの車体を復帰させた折から発電力が不足気味なのを感じていた。
 この車種は発電系が弱いことは知っていたので「仕方ない事」と思っていた。
 確かに走行していてもライトを点灯させるとホーンがならなかったりする事は良くあった。

・なにか低速回転が痩せてしまってスムーズに回らなくなっている感じがした。
 これは「自作ニセ稲妻」で改善されたので「古いから仕方ない」としていた。

・冬になるとバッテリー上がりになるのでバッテリーは外していた。
 これは発電系の弱い車体に加えて、冬は乗らないので「仕方ない」と思っていた。

・ここ半年ほどのことだけど..アイドリングが脈打つようになった。
 キャブレターの同調がずれて来たか..バッテリーが弱くなっている事を感じていた。

とまぁ..思い出すだけでも、「これだけ揃えばジェネレーターを疑えよ!」と言われそうである。(^^;
いや、実際はジェネレーターの交換は「いつか来る!」と覚悟はしていました。
しかし「こういう形」で襲い掛かってくるとは夢にも思いませんでした。(俺っていったい・・(T_T) )

という事はですね..「走行中にライト点灯させてホーン音が小さい場合は要整備」です。
「アイドリングが脈打つ」ようになったら既にジェネレーターは死んでいると思ったほうがいい。
ただ..この場合、三種の神器(レギュレーター/ステーターコイル/ローターコイル)のどこが悪いか
判断はつかないのが実際で、私自身も「ダメ消去法」で結果、全部交換しました。

私的に今考えると..レギュレーターのダイオードは破損する可能性は低いです。
だけど安定化回路は半導体なので「正常」「半殺し」「全殺し」のどれもありなんです。(--;
「全殺し」で全く電機が通過しないか、完全にオープンになってくれれば分かり易いです。
どうやって調べればいいのか?..実際に電圧をかけてみなければ無利です。
レギュレーターは「新品購入」してみて比較してみるしか分かりません。

ではジェネレーターの方はどうなのでしょうか?
見た目ではもちろん分かりませんのでテスターで抵抗値を測ることになりますが..
1オーム以下では接触が少し変わるだけでも値に変化が生じます。
私のステーターは修理前でも0.6オームで修理後でも0.7オームでした。
ローターの方がまだ分かりやすいのですが..これはブラシの接触部で計測するので変化します。
要するに..断線でもしてオープンになっているか、短絡して0オームになっている以外は不明確。
やはり取り付けて使えるか使えないかの判断を下すしかないのですが..作業が面倒です。
というわけで、私的にはジェネレーターは両方とも交換したほうが安心で的確だと思います。

2008/11/04

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