愛車CB750Fボルドール2の再起記録  vol 103

【秋の集中整備 Part 3】

【スロットルの謎】(2008/09/28)

ステムの組み付けも終わり、残すはスロットルケーブルの取付けになった。
取付ける段になってスロットルグリップが外れかけている事に気がついたので接着することにした。
なにしろ27年も経過した車体なので、いたる所に劣化が見受けられる。
ついでに..いつ交換したか忘れたスロットルケーブルも交換しておくことにしたのだが..
ケーブルを交換したらスロットルが戻らなくなってしまったのである。(謎)
原因は全く謎で..スロットル自体の動きも軽いし、ワイヤーも新品、キャブのスプリングも正常。
だけど..組み付けると、スロットルの戻りが悪いという状態。
これには3時間も掛かったけど、原因が不明で解決もしないままになっている。

【スロットルの整備のコツ】(2008/10/05)

早いもので整備を始めたのが9月13日なので今日で3週間も掛かってしまっている。
今週は前回の整備で上手く出来なかったスロットルケーブルの事を理屈で考えていた。
「前後のリンクと二本のワイヤー、バネの戻りは片方のみで、どうやれば上手く戻るのか?」を考えていくと..
「戻り側より引き側がわずかに短くなければ戻りにくい」ということに気が付いた。
ようやく一週間が経過して日曜日になったので、早速朝からスロットルの整備を行った。

・スロットルの戻り側を外して引き側だけで引っ張ってみると・・OK!
・戻り側を付けてワイヤー端をフリーにしておくと・・OK!
・戻りワイヤーを締めこむと・・途端にスロットルが重くなり戻りが悪くなる。

つまり..戻り側ケーブルのテンションに問題があるということ。
という事は、引き側ケーブルをどんどん緩めていくと..戻りました。
要するに、調整は戻り側を取付けてから、引き側を最小の位置から少しづつ引いて行く事です。
私は最初に引き側を取付けて張りの調整をしてから、戻り側を取付けたのが敗因でした。
確かに馴染んだケーブルなら概ねの寸法が出てるので、それで問題が無かったわけです。
読んでいて「くだらねぇ・・」と思われるかもしれませんが、こういう単純な部分ほど迷路に陥りやすい。
それとFの場合はケーブルの回し方に気をつけないと抵抗が大きくなりますので要注意です。
ケーブルを正規位置で通過させてストレートにキャブに持って行くことです。

さて、スロットルは軽く戻るようになったのですが..グリップ接着とバーエンドの問題があります。
私のはグリップが古くなっているので少々伸びてしまっているようです。
普通どおりグリップを接着してバーエンドを入れると接触してスロットルが戻らない。
まぁ..これは単純にバーエンドとグリップが接触しているだけなのでバーエンドを外せば戻ります。
そこで、バーエンドはネジロックを塗布してねじ込むだけにしておいた。(なんか中途半端だけど仕方ない)
この部分は、また解決しなければならないけど、できれば愛用してきたグリップを最後まで使いたいと思う。

新品のスロットルケーブルだ!でも・・ グリップも外して整備するけど・・
やっと何とか調整がつきました。 グリップ固定中..でも古くて伸びてるし。
【ブレーキの整備】(2008/10/05)

以前からフロントブレーキは今ひとつキャリパーの戻りが悪いと思っていたのでスリーブを新品に交換した。
このスリーブという部分は、小さくて安い部品だけど担っている責任は重い部品である。
この部分はブーツに中に隠れているけど固着しやすく固着するとキャリパーの戻りが悪くなる。

前回ブレーキオイルを交換したのはいつだろう・・たしか2005年7月にやっている。
そろそろブレーキオイルも変色してきているので交換することにした。
一人で交換するのは面倒だけど、ワンマンブリーダーというチューブを持っているので簡単に出来る。
だけど、最後の数回だけは確実に締めながら抜いた方が安心できる。
まだ使えそうだけど..交換。 こりゃひどい!錆だらけ。
切れてたブーツ類も交換。 ブレーキオイルも交換。
【整備終了/試乗】(2008/10/05)

ようやく整備が完了し元の姿に復元されたので早速走らせてみる事にする。
なにしろステムを整備しているので「カックン!」とか「ゴトゴト」とか「ユラユラ」とか不安である。
エンジンを暖機して各部をチェックしてから走りだす。

低速で何度か強くブレーキをかけたり、ダイブさせたりギャップに入れたりして様子を見る。
次にコーナーでアクセルのオン/オフでサスペンションを伸ばしたり縮めたり、少しこじったりする。
更に高速に乗って、それなりの速度で揺れや蛇行が起こらないかチェックしてみる。
最後に長い直線の下りを選んでハンドルから手を離してフラツキや倒れがないかをチェックしてみる。
(私のはダンパーを付けているので、手放しだと路面の低い方に向かっていく習性がある)
とまぁ..これだけやってみたけど、何も悪い部分は無く安定しており、交換前と大きな変化は感じなかった。
尤も私のはダンパーを付けているので、ステアリング自体が軽快でないのも事実である。
ステアリングダンパーは一度付けてしまうと安定性が高いので、もはや外す事が出来ない。
おそらくダンパーなしで比べればベアリング交換の効果は体感できるのだろうと思う。

サスペンションの動きは、さすがにオイルが新しいので応答性もすばらしいが、
今回IXLを入れた事によってどう変化したのかは、まだ馴染ませないとわからないと思う。
おそらく細かい動きに現れるので変化してもわからないだろうけど。
あれだけ苦労したスロットルであるが、これは以前と全く変化が無い。
ブレーキのフィーリングは少し良くなったというよりも、ディスクローターの温度が左右同じになった。
それと、少し引きずって「キーキー」鳴いていたのが止まったのがうれしい。

3週間ぶりにちゃんと復元されました。 なにか変わったかな..? よく分からない。
【あとがき】(2008/10/06)

今回の整備はマフラーフランジボルト事件の整備以来、最悪の整備となった。
ただ時代が違い、整備の情報や部品の流通はもちろん自分の年齢も経験も違うので以前よりは冷静に対処した。
それでもオリジナルのステムシャフトのベアリングを抜いた際にシャフトに傷をつけた時は愕然とした。
その事に注意を払って練習までした割には失敗した自分の愚かさに腹が立った。(笑)
金に物を言わせた訳じゃないけど..その週末までには手元に4本ものステムが集まったのだから、
このときはオークションというのは本当にがありがたいと思った。
結局、この4本のステムに投じた金は1万円程度で、精神的な保険としては余りあるものであった。

一番悩んだのはロックワッシャーというもので、なんで必要なのか考えて考え抜いた。(笑)
これが正しくあればこそ、わざわざ二重締めにした意味がある事に気が付いたのである。
そして、これが「単なる緩み止めでは無い」と分かったときは驚いたものだ。
それでも、手締めで締めて試乗してみるまで不安であったけど・・。
しかし今更ながらマニュアルのFA以降のステムの整備方法というのは曖昧で読みきれない。
いまだに「手締め」「トルク締め」か文章だけでは判断できない。
だからこそ、私は私なりの締め込み方法を採る事になったのだけど。
締め込み具合については、この先も長い目で見守っていきたいと思っている。

それからマイナーだけどスロットルケーブル。
こんな事でこれほど時間が掛かってしまうとは我ながら呆れてしまった。
今のところケーブルによるスロットルの戻り具合は解決したのだが、グリップが擦れる問題はある。
どちらもマイナー的な要素だけど気になる部分なので、地味に解決していきたいと思う。

一応整備としては終わったというよりも元に戻ったと言うだけのこと。
かなり苦労してがんばった割には得るものは少ないというのが本心である。
ベアリングが気になるならグリス入れ替えだけで十分..交換する必要は無いというのが結論。

2008/10/07

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